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『バリー・シール/アメリカをはめた男』アメリカの黒歴史を暗躍した実在パイロットの人生とは?

(c) Universal Pictures

『バリー・シール/アメリカをはめた男』アメリカの黒歴史を暗躍した実在パイロットの人生とは?

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『バリー・シール/アメリカをはめた男』あらすじ

天才的な操縦技術を誇り、民間航空会社のパイロットとして何不自由ない暮しを送っていたバリー・シールの元に、ある日CIAのエージェントがスカウトに現れる。CIAの極秘作戦に偵察機のパイロットとして加わる事となったバリーは、その過程で伝説的な麻薬王パブロ・エスコバルらと接触し、麻薬の運び屋としてもその才能を見せ始める。ホワイトハウスやCIAの命令に従いながら、同時に違法な麻薬密輸ビジネスで数十億円の荒稼ぎをするバリー。しかしそんな彼の背後には、とんでもない危険が迫っていた…。


Index


CIAとコロンビアの麻薬王、ふたつの巨大組織と「取引」した伝説の運び屋



 こんなヤツ(バカ)が本当にいたのか!?――と驚愕する底抜けの豪快さ。トム・クルーズ主演の実録物にして異色エンタテインメント、『バリー・シール/アメリカをはめた男』(2017年/監督:ダグ・リーマン)を観た人は、なによりこの実在した破天荒な主人公、バリー・シール(1939年生~1986年没)本人に興味を持つのではないか。

 映画でも描かれているように、米ルイジアナ州バトンルージュ出身の彼は、もともと民間の航空会社TWA(トランスワールド航空)に勤めていた一介のパイロット。凄腕の操縦テクニックを持っていたバリーは、1978年、IAC(独立航空コンサルタント)と名乗る組織の男にスカウトされる。ところが本当の雇い主は泣く子も黙るCIA! ヨメにも内緒で体制の犬となったバリーは戦乱の中南米へ飛び、難易度の高い低空飛行から偵察写真を隠し撮りするというスパイ大作戦を担当することになった。

 しかしバリーはその極秘任務で顔見知りとなった裏社会の超大物――コロンビアの悪名高い巨大密売組織「メデジン・カルテル」を率いる麻薬王、パブロ・エスコバルから危険なバイトの話をこっそり持ちかけられる。アメリカへのコカインの空輸だ。


『バリー・シール/アメリカをはめた男』(c) Universal Pictures


 あっさりカネに目が眩んだバリーは偵察任務のついでに「運び屋」の副業を開始。ところがコロンビア政府のガサ入れを喰らい、ピンチを助けてくれたCIAに弱みを握られる。新たに与えられた極秘任務は、なんと武器の密輸だ。アーカンソー州のミーナというド田舎に家族ごと拠点を移し、アメリカ政府(すなわち当時のロナルド・レーガン共和党政権)からの指令でニカラグラの反政府ゲリラ軍コントラに大量の武器をせっせと運ぶことになる。



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