2020.02.21
今もなお、華やかな銀幕スター!
インド、ヒンディー語映画:ボリウッド映画界には「3大カーン」と呼ばれるスターがいる。ラブロマンスやメロドラマで女性たちをトロけさせる『オーム・シャンティ・オーム 恋する輪廻』のシャー・ルク・カーン。作家主義的な作品を高いクオリティで生み出し続けることで“ミスター・パーフェクト”の異名を持ち、インド国内のみならず世界の映画ファンに愛される『きっと、うまくいく』(09)のアーミル・カーン。そして、この『プレーム兄貴、王になる』主演のサルマン・カーンだ。
若いころは甘いマスクとよく変わるやんちゃな表情でラブロマンスを演じており、先出の『私はあなたの何?』や日本でも公開された『ミモラ 心のままに』(99)は、サルマンが「色男」で活躍していた頃の作品だ。ところが、シルベスター・スタローンに憧れるあまり肉体改造を敢行し、見事なゴリマッチョへ仕上がり、以降はアクション映画をメインに「気は優しいが怒ると怖い」キャラを確立する。
『プレーム兄貴、王になる』(C)Rajshri Productions (C)Fox Star Studios
中でも不良警官の無頼な活躍を描いた『ダバング 大胆不敵』(10)はアジア一帯で特大ヒットを記録する。日本でもこの作品に惚れ込んだ方が脱サラして会社を立ち上げ、上映権を買取り公開したという逸話があるほどだ。この数年は『バジュランギおじさんと、小さな迷子』や『スルターン』(16)など、日本公開の機会も増え、サルマンは何度目かの旬が到来したベテラン・スター俳優と言えるだろう。
「旬」と言えばプレーム兄貴の恋の相手マイティリー姫を演じるソーナム・カプールである。『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(11)で富豪を演じたアニル・カプールの娘で、インドではファッション・リーダーとして、インスタグラムのフォロワー数はそろそろ2,500万人に届きそうな人気者だ。
女優としても、実在する俳優の破天荒な人生を描いた『SANJU サンジュ』(18)を始め、『ミルカ』(13)『パッドマン 5億人の女性を救った男』(18)など、史実を元にした難しい役をこなし続け、それぞれのヒットに貢献している。ソーナム・カプールは実力、人気、加えて美貌も備わった、まさしく今が「旬」のスター女優である。