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『地獄の黙示録』を生み出した、キャスト・スタッフの様々な交代劇とは?

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『地獄の黙示録』を生み出した、キャスト・スタッフの様々な交代劇とは?

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『地獄の黙示録』と『ゴルゴ13』の意外な関係



 映画の中盤、ウィラードは慰問に訪れたプレイメイトに狂乱するアメリカ兵たちの姿を目撃する。当初、この場面で慰問に訪れる芸能人を演じる予定だったひとりが、リンダ・カーター。元ミス・ワールドのアメリカ代表だった彼女は、テレビドラマ「空飛ぶ鉄腕美女 ワンダーウーマン」(75~79)でワンダーウーマン役を演じることとなり、出演を断っている。結果、慰問に訪れる女性たちは「プレイボーイ」誌のプレイメイトという設定に変更され、実際に1974年のプレイメイト・オブ・ザ・イヤーに輝いたシンシア・ウッドが、プレイメイトのひとりを演じている。


 俳優としては大成しなかったシンシアだが、実は日本との意外な接点がある。1983年に劇場長編アニメ映画として公開された『劇場版 ゴルゴ13』(83)。出崎統が監督したこの作品は、大村皓一と御厨さと美が日本で初めて本格的なCGI映像を作品の中で実践したことでも話題となった。その主題歌である「プレイ・フォー・ユー」を歌ったシンディ・ウッドは、当時「詳細不明の女性シンガー」とされていたが、実は彼女こそが、シンシア・ウッドだったのである。『地獄の黙示録』では戦場の慰問で兵士を熱狂させたシンシアは、日本の音楽番組で熱唱。なんと彼女は、日本語でこの曲を歌っている。



(c)Photofest / Getty Images


 一方、ワンダーウーマンを演じて日本でも人気を得たリンダ・カーターは、番組終了後これといった代表作がないままテレビ映画の出演を続けていた。その中の1本、日本ではビデオ発売された未公開テレビ映画に「プレイメイト・ストーリー/人妻・学生・OL グラビアを飾った女神たち。」(92)という作品がある。ブリタニー・マーフィと西田敏行が共演した『ラーメンガール』(08)を製作したクリーヴ・ランズバーグによるこのテレビ映画は、リンダや『キャント・バイ・ミー・ラブ』(87)のアマンダ・ピーターソンらが演じる主婦や学生が「プレイボーイ」誌のヌードモデルに転身し、周囲に衝撃を与えるというストーリー。


 ミス・ワールドのアメリカ代表だったリンダ・カーターは『地獄の黙示録』の出演を断り、代役としてプレイメイト・オブ・ザ・イヤーだったシンシア・ウッドが演じることになった後、今度はリンダがドラマの中でプレイメイトを演じることになろうとは、誰が想像できただろう。もし、リンダが慰問場面に出演していたとしたら、兵士たちが別の意味で狂乱するような場面になっていたかも知れない。



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