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『落下の王国』インタラクティブな製作過程がもたらしたもの

『落下の王国』インタラクティブな製作過程がもたらしたもの

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ターセム×石岡瑛子 互いに及ぼしあった影響



 本作は「現実シーン」と「物語内物語」という二重構造を持つ作品だが、とりわけターセムが後者の映像絵巻を紡ぎ上げた経緯は、今なお業界の語り草になっている。彼はCMやミュージックビデオの撮影で世界中の様々な場所を訪れては、仕事を終えた後、スタッフやキャストを呼び寄せてそのまま現地で『落下の王国』の撮影を行った。そのようなことを4年半も続けて、少しずつ、少しずつシーンを撮り貯めていったのだ。


 またここで重要となるのが、『ザ・セル』(00)でも力を貸した衣装デザイナー石岡瑛子(1938~2012)の存在である。ターセムは石岡がパルコの広告を手がけていた頃からの大ファンで、当時の仕事を収めた書籍「EIKO BY EIKO」を愛読書として崇拝するほどだったとか。



 彼女の手がける衣装は強烈だ。下手すれば映画は内側から食い破られる。だがターセムはここでも彼女のデザインを制御するのではなく、むしろこの「ビジュアル言語」を大いに解き放ち影響を及ぼしあう合うことで、この世に二つとない映像世界を作り上げようとした。こうした双方向の刺激的なコラボレーションに手応えを感じたからこそ、石岡はこの先も『インモータルズ -神々の戦い-』(11)、『白雪姫と鏡の女王』(12)に至るまで、ターセムと共に走り続けたのである。



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