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『ジャッカス・ザ・ムービー』のバカバカしさで閉塞感を笑い飛ばせ!

(c)Photofest / Getty Images

『ジャッカス・ザ・ムービー』のバカバカしさで閉塞感を笑い飛ばせ!

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ジャッカス・ザ・ムービー誕生!!



 テレビ・シリーズ『ジャッカス』が放送されると、たちまち大人気となる。第2回の放送で日曜日の最高視聴率を更新し、実に240万人の視聴者を獲得するに至った。そんな順風満帆に思えた「ジャッカス」だが、その一方でジャッカス・クルーたちの間には不満も少なくなかった。


 ジャッカスで行われるバカバカしいスタントを真似する若者が後を絶たず、視聴者の怪我や入院が続出してしまう。この影響からか、MTVサイドのチェックは日に日に厳しくなり、放映できないネタがどんどん増えていった。


 特にスティーボーはネタを却下されてばかり(彼の芸風を知っていれば「そりゃそうだ」と思うところだろう)で、ギャラも少ないとこぼし、シリーズのビデオ・リリースも、第1シーズンはブラッド・ピットが出演していたため、肖像権が問題になりリリースさせてくれない(のちにクリアしリリース)。


『ジャッカス・ザ・ムービー』予告


 「じゃあ、もっと大きい規模で、法的な管理もチャンとしてもらって、きっちりレイティングしてくれる映画館相手にやったろうじゃないか!」


 こうして生まれたのが『ジャッカス・ザ・ムービー』である。テレビ・シリーズで溜め込んだフラストレーションを、考えうる限り最もバカバカしい方法で爆発させた本作は、そもそも開放的だったジャッカスに、さらにニトロ・ブースターを加えたようなメガトン級のバカにまみれたスーパー開放感に溢れた傑作になった。


 この映画版にはジャッカス・クルーたちが日本で暴れる様子も撮影されていたが、この場面が(またもや)肖像権で問題になり、日本公開はアメリカでの公開から2年遅れの2004年。しかも日本の場面がカットされたバージョンになっている。



『ジャッカス・ザ・ムービー』TM,(R)& Copyright (C)2005 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.


 ちなみに、ソフィア・コッポラ監督作『ロスト・イン・トランスレーション』(03)で「カメラマンの旦那について東京に来たけど放っておかれてしまう」というのはスパイク・ジョーンズと結婚していたソフィア・コッポラの実体験である。


 スパイク・ジョーンズはソフィア・コッポラをホテルに残し、ジャッカス・クルーたちと、渋谷センター街を着ぐるみ姿で暴れまわったり、鼻から大量のワサビを吸いこむスティーボーを見てゲラゲラ笑っていたのである。離婚されてしまったのも、むべなるかな。



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