2020.05.08
あのレイア姫も脚本執筆に参加
だが、いよいよ具現化に向けて動き出すかに見えた矢先、ベット・ミドラーの心が揺れ始めた。「果たしてこの役は、ファンが本当に望む私の姿なのだろうか」と疑念を抱くようになり、ついには企画からの離脱を決める。
ミドラーがいなければ何も始まらない。せっかくのアイディアも前に進むための推進力を失い、脚本家のラドニックもこれでお役御免かと思われていた矢先、突如、制作会社側から「頼む、もう一回来てくれ」と呼び出しが。この時になって初めて「ウーピー」の存在が顔を出す。今をときめくエンタメ界のアイコンが、本作に興味を示しているというのだ。
『天使にラブ・ソングを…』(c)Photofest / Getty Images
ただし、この映画は主演俳優のパーソナリティがもろに反映される作品である。新たな帆を張り替えて進み始めた船は、当然ながら最初の目的地から遠く離れたところへ進んで行く。
こうなるともう、脚本家のラドニックにはそこに留まっている意味がないように思えた。彼が抜けた後には、ナンシー・マイヤーズ、ロバート・ハーリング、そしてあのレイア姫ことキャリー・フィッシャーなど無数の脚本家たちが執筆にあたり、撮影が始まってもまだ完成せず、突貫工事が続いたという。