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『天使にラブ・ソングを…』エネルギッシュ&多幸感あふれる名作で、実現しなかった幻のキャスティングとは?

(c)Photofest / Getty Images

『天使にラブ・ソングを…』エネルギッシュ&多幸感あふれる名作で、実現しなかった幻のキャスティングとは?

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ハーベイ・カイテルが賞賛したウーピーの名演技



 シリーズの人気と勢いは未だに衰えていない。近年では公開25周年を迎えた‘17年、ウーピーがMCを務めるTV番組「The View」にてメインキャストの同窓会が催されて盛り上がりを見せた。


 そこでは様々な舞台裏のエピソードが明かされると共に、英国からはマギー・スミスが愛情たっぷりのビデオメッセージを届け、さらにスタジオではハーベイ・カイテルがサプライズ登場。本作の中で彼は、妻のイニシャル入りのコートを愛人役のウーピーにプレゼントするという無神経なヘマをやらかすのだが、今回の同窓会で彼はそのことを詫び、改めて「ウーピーへ、愛を込めて。ハーベイ」という刺繍入りのコートをプレゼント。観客を大いに沸かせていた。


 またハーベイは、最も印象的なシーンとして、クライマックスのウーピーの名演を挙げた。本当ならウーピーは別れ際のカイテルに対してストレートに罵りたいところを、その感情を巧みに用いた上で、あえて脚本通りの「Bless you!」というセリフへ昇華させた。その演技が実に素晴らしいのだと、名優カイテルは彼女を絶賛してやまない。


 二度、三度、本作をご覧になっている方もいれば、まだ一度も鑑賞したことのない方もおられるだろう。前に見たときは親と一緒だったけれど、今度は自分の子供と一緒に見ますよ、という方もいらっしゃるかもしれない。そんな世界中のすべての人たちに「Bless You!」を。30年近く前のキャストの名演と醸し出されるバイブレーションから、ありったけの元気と祝福をもらってほしい。



参考URL:

https://www.hollywoodreporter.com/news/sister-act-25th-anniversary-reunion-1039190

https://www.newyorker.com/magazine/2009/07/20/fun-with-nuns



文: 牛津厚信 USHIZU ATSUNOBU

1977年、長崎出身。3歳の頃、父親と『スーパーマンII』を観たのをきっかけに映画の魅力に取り憑かれる。明治大学を卒業後、映画放送専門チャンネル勤務を経て、映画ライターへ転身。現在、映画.com、EYESCREAM、リアルサウンド映画部などで執筆する他、マスコミ用プレスや劇場用プログラムへの寄稿も行っている。



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