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『パニック・ルーム』主役交代に妊娠、パニックだらけの舞台裏とは?
ニコール・キッドマンからジョディ・フォスターへの交代劇
撮影を開始してから2週間が経過した頃、ニコール・キッドマンが膝の不調を訴える。彼女はその前に出演していた『ムーラン・ルージュ』(01)で膝を痛めていたのだが、それが悪化してしまったのだ。数日撮影を止めて彼女の回復を待ったが、医師は非情にも「手術が必要で、これ以上の撮影は不可能」という診断を下す。
主演女優が芝居できないとなっては製作を中止せざるを得ないが、すでに高い脚本料と準備に莫大なお金を投じているコロンビア・ピクチャーズは、「撮影続行」を指示。 何せ、4階建てタウンハウスのセットだけでも、600万ドルの費用がかかっていたのである。製作スタッフは慌てて、新しい主演女優を見つけ出す事態に陥った(ちなみにニコール・キッドマンは、メグの元夫の恋人役として、声のカメオ出演を果たしている)。
『パニック・ルーム』(C)2002 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
その代役として白羽の矢がたったのが、ジョディ・フォスター。彼女は以前からデヴィッド・フィンチャーの才能を高く評価し、彼の作品に出演したいと熱望していた。しかし彼女はすでにカンヌ映画祭の審査委員長を務めることになっていて、思いっきり撮影のスケジュールとカチ合ってしまう。どうしてもフィンチャー作品に出演したかったジョディ・フォスターは、審査委員長の役目を辞退することを決断。かくしてこの映画は、ニコール・キッドマンに勝るとも劣らない、名女優を主演に迎えることとなった。
そのタイミングで娘役のヘイデン・パネッティーアも降板し、テレビドラマで注目を集めていたクリステン・スチュワートに交代。ジョディ・フォスター&クリステン・スチュワートのニュー・コンビで、なんとか撮影が再開される。しかしながら、ジョディ・フォスターには撮影にあたって一つ問題があった。なんと、彼女のお腹には二人目の子供がいたのだ!