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『バットマン・リターンズ』バートン節が狂い咲き!もはやヒーロー映画ではないバットマン

『バットマン・リターンズ』バートン節が狂い咲き!もはやヒーロー映画ではないバットマン

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キャスティングにも生じた予期せぬ混乱



 大作には製作の混乱はつきものだ。本作の製作裏話でもっとも有名なのは、『ブレードランナー』(82)のショーン・ヤングがキャットウーマン役をどうしても演じたくて、コスプレをしてバートンの事務所に押しかけたこと。しかしバートンは留守で、留守番のアシスタントをバートンと勘違いしたことから、話はもつれる。追い払われたと思った彼女はキャットウーマンのコスプレ姿でテレビのトーク番組に出演し、ハリウッドでの不当な扱いを訴え、バートンを激しく口撃した。


 キャットウーマン役にミシェル・ファイファーを配したことについて、バートンは「芸術的選択だった」と説明する。とりわけ、バートンを感心させたのは“目”の演技。キャットウーマンのマスクは顔の半分を覆っており、マスクの穴から覗く目は、ときにセリフ以上にモノを言う。そんな彼女のためにバートンが用意したスーツは、『シザーハンズ』の主人公のコスチュームにも共通する、つぎはぎだが美しい光沢を放つSMチックなものだった。これはファイファーに対するバートンの賛辞の表われだ。




 一方のペンギンについては、ベテラン俳優ダニー・デヴィートにお任せだ。心の中まで醜さに覆われてしまったペンギンを、愛嬌とともに演じられる俳優は、そうそういるものではない。彼の地下世界を構成する要素として、バートンはサーカス団員だったギャングたちや、ペンギンの群れ、さらにはアヒルのオモチャのような巨大なガジェットを用意。それらが、とにかくポップで、ゴッサムのゴシックな世界観の中に置かれると、不思議なユーモアを醸し出す。そんなビジュアルのおかしさ……いや、ここはあえて美しさと呼ぼう……も見どころとなった。



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