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『インソムニア』“雇われ監督”でも才能がきらめく! 鬼才ノーランの傑作スリラーの魅力

『インソムニア』“雇われ監督”でも才能がきらめく! 鬼才ノーランの傑作スリラーの魅力

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3大オスカー俳優の手綱を握る



 映画の舞台は、夜になっても陽が沈まない白夜のアラスカ。17歳の少女が殺された殺人事件捜査の応援で、腕利きのベテラン刑事ドーマーと相棒エッカートがロサンゼルスからやって来る。ドーマーとエッカートのパートナーシップは、内務調査の介入によってこじれていた。やがて現地警察とともに犯人を山小屋におびき出すことに成功。だが、犯人を追っていたドーマーは濃霧の中で、誤ってエッカートを射殺してしまう。


 ドーマーは成り行きで、その罪を犯人にかぶせようとするが、当の犯人フィンチはドーマーが相棒を射殺する場面を目撃していた。取引を持ち掛けてくるフィンチ。一方では、ドーマーを尊敬する地元の新人警官エリーが事件の核心に近づこうとしていた。ストレスから不眠症に陥ったドーマーは、どんな行動に出るのか?




 本作の当時の最大の売りは無名に近かったノーランではなく、3大オスカー俳優の共演だった。神経衰弱ぎりぎりのドーマー役にアル・パチーノ、理知的な殺人犯フィンチにロビン・ウィリアムズ、そして純真で明るく真面目なエリーにヒラリー・スワンク。役に臨む姿勢も演技力も、高く評価されているスターぞろい。とりわけ、それまでコミカルな役で人気を博してきたウィリアムズの、殺人犯役のダークな怪演は注目を集めた。


 これだけのスターと仕事をするのは、ノーランにとって初めての体験だったが、それでも臆することなく演出に臨んだ。パチーノはリハーサルを重ねて入念に準備し、撮影時もテイクを重ねていろいろと試すことを好むが、反対にスワンクはリハーサルよりもその場でのインスピレーションを重視し、テイクも一、二度で済ませたいタイプ。


 共演シーンが多いものの、姿勢が対照的な彼らをどう演出するべきか? ノーランは彼らの意見を聞き、映画に反映させるだけでよかった。パチーノもスワンクもお互いのやり方を探り合い、認め、適応していったという。プロの仕事とは、そういうものだ。


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