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突き抜けた作家性とメガヒットを両立させる鬼才クリストファー・ノーラン監督作品まとめ

突き抜けた作家性とメガヒットを両立させる鬼才クリストファー・ノーラン監督作品まとめ


今現在、世界で最も期待されている映画監督は誰だろうか? 野暮な質問だが、多くの人々の脳裏に浮かぶのは、恐らくこの人だろう。ビッグバジェットで作家性を発揮し続ける、鬼才にしてヒットメイカー、クリストファー・ノーラン。


1970年生まれのノーラン監督は、大学生ごろから映画製作を始め、1998年に『フォロウィング』で長編監督デビュー。以降、誰も見たことのないような奇抜なアイデアと、映画愛ほとばしるアナログで大掛かりな“本物”の映像で、世界中の観客を魅了してきた。


プロデューサーは妻エマ・トーマス、脚本は弟ジョナサン・ノーランと組むことも多く、キリアン・マーフィやマイケル・ケインといったお気に入りの俳優を重用するなど、“ファミリー”を大切にする人物。フィルムを愛し、CGに頼ることを嫌い、大掛かりなセットを組むことでも知られる。性格的には「昔かたぎ」といえるが、作風は「斬新」で「スタイリッシュ」。このギャップが、彼ならではの風合いを生み出しているといえよう。


全米で2020年7月17日に公開する予定(日本公開は9月18日)の最新作『TENET テネット』(20)は、確実にヒットが予測され、新型コロナウイルスの被害に苦しむ映画業界の希望、という声も上がっている。


今回は、クリストファー・ノーラン監督がメガホンをとった、長編11本を年代別に紹介していく。


Index




1.『フォロウィング』(98) 70分


3本の短編映画を手掛けたのちに生み出された、ノーラン監督の初長編監督作。製作費6,000ドルという、超低予算で作られたモノクロ映画だ。ただし、興行収入は4万8,000ドルを超えており、映画祭などでも注目を浴びたそう。成績・評価の両面で、いきなり成功を収めている。


作家志望の青年が、モチーフを得るために街で見かけた男を尾行し始めたことから、ある事件に巻き込まれていくスリラー。日本では、2001年に公開された。


ノーラン監督は本作で監督・脚本・製作・撮影・編集をこなしており、フィルム・ノワールの影響や『シャイニング』(80)へのオマージュが確認できる。そういった意味では私的な作品ともいえるが、次作『メメント』(00)にも通じる「時系列シャッフル」の演出が採り入れられているなど、才能の片鱗を十二分に感じさせる。




2.『メメント』(00) 113分


(c)Photofest / Getty Images


「才気煥発」という言葉が似合う、ノーラン監督の名を知らしめたアイデア作。記憶が10分しかもたない男が、妻を殺害した犯人を突き止めようと奔走する知性派サスペンスだ。


ノーラン監督の作品には「時間」という共通したテーマが潜んでいるが、本作はその「時間」に対する特異なアプローチが、前面に押し出されている。時系列が逆再生されるつくりになっており、チュートリアル的な「登場人物の人となりや事件の発端の説明」がなく、いきなり殺害現場からスタート(しかも逆再生。この「巻き戻し」演出は、最新作『TENET テネット』の予告編でも使われている)。モノクロ映像とカラー映像が入り乱れ、観客の記憶力や読解力が試される。


記憶を補完するため、自分の身体にメモを刻み、ポラロイド写真を持ち歩くという主人公のスタイルは、強烈に印象に刻まれるだろう。金髪に染めたガイ・ピアースの切迫した演技も光る。


本作を手掛けたノーランは、長編2作目にしてアカデミー賞の脚本賞と編集賞にノミネートされ、興行面では製作費概算900万ドルに対して全世界で3,900万ドルを記録。『メメント』は、今日まで語り継がれる作品となった。


もっと詳しく:『メメント』探偵物・復讐劇の定型を覆すノーランの傑作リバースムービー※注!ネタバレ含みます。





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