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突き抜けた作家性とメガヒットを両立させる鬼才クリストファー・ノーラン監督作品まとめ

突き抜けた作家性とメガヒットを両立させる鬼才クリストファー・ノーラン監督作品まとめ

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11.『TENET テネット』(20)


全世界の期待を集めている、ノーラン監督の最新作。秘密主義のノーラン監督だけあって、現在においてもほとんどの情報が謎に包まれている。


「第三次世界大戦を阻止する」「時間を逆転させる」といったキーワードが上がっており、国際スパイの活躍を描く物語になるようだ。かねてより『007』シリーズのメガホンを希望している、ノーラン監督ならではのスパイ映画となるのだろうか。スパイ映画といえば『インセプション』が思い浮かぶが、同作に匹敵するとの報もある。ちなみに、本作の製作費は概算2億ドルと、製作費概算1億6,000万ドルの『インセプション』を優に超えている。


なお、視覚効果を使用せずに旅客機を実際に爆破するなど、ノーラン組らしい製作舞台裏のニュースもファンをにぎわせている模様。予告編からは、時間が逆流する格闘シーンやカーチェイスが断片的に開示され、想像力を刺激する。


また、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(19)IMAX版の上映において先行公開された本編映像では、コンサートホールがテロリストに占拠され、主人公たちが潜入するシーンが描かれた。これらがどう組み上がり本編につながっていくのか…。ノーラン監督が、世界を驚かせる日を楽しみに待ちたい。


本作には、『ブラック・クランズマン』(18)のジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、ケネス・ブラナー、そしておなじみのマイケル・ケインが出演している。



失敗知らずの「ヒット請負人」であると同時に、自身のクリエイティビティを曲げない「映像作家」でもあるノーラン監督。これまでの作品群からもわかるとおり、これだけの高次元で相反する2項を両立させている人物は、世界中を見渡しても極めてまれだ。今年50歳を迎えるという若さも、頼もしい限り。


暗いニュースにあえぐこの世界を、映画の力でまばゆく照らす――。ノーラン監督に懸かる期待は、これまでとは比較にならないほど大きい。しかしそれを上回りそうな「確信」が、人々の中にあるのもまた、事実なのだ。



文: SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライターに。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」「FRIDAYデジタル」「Fan's Voice」「映画.com」等に寄稿。Twitter「syocinema

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