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『TENET テネット』IMAXプロローグ版に垣間見る、ノーラン映画の真髄
2020.07.12
『TENET テネット』あらすじ
満席の観客で賑わうウクライナのオペラハウスで、テロ事件が勃発。罪もない人々の大量虐殺を阻止するべく、特殊部隊が館内に突入する。部隊に参加していた名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、仲間を救うため身代わりとなって捕えられ、毒薬を飲まされてしまう...しかし、その薬は何故か鎮痛剤にすり替えられていた。昏睡状態から目覚めた名もなき男は、フェイと名乗る男から“あるミッション”を命じられる。それは、未来からやってきた敵と戦い、世界を救うというもの。未来では、“時間の逆行”と呼ばれる装置が開発され、人や物が過去へと移動できるようになっていた。ミッションのキーワードは<TENET>。「その言葉の使い方次第で、未来が決まる」。謎のキーワード、TENETを使い、第三次世界大戦を防ぐのだ。突然、巨大な任務に巻き込まれた名もなき男。彼は任務を遂行する事が出来るのか?
そして、彼の名前が明らかになる時、大いなる謎が解き明かされる――。
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ついに公開『ダークナイト』IMAX版!
2020年7月10日、クリストファー・ノーラン監督作品『ダークナイト』(08)のIMAX版と4D版が、日本で全国公開された。IMAX版では、IMAXカメラでの撮影パートが、通常のシネスコサイズから上下が拡張されての上映となる。しかも池袋のグランドシネマサンシャインと109シネマズ大阪エキスポシティにあるIMAXレーザーGTのスクリーンでは、IMAXフィルムで撮影されたフルサイズの画角である1.43:1にまで拡張される。
『ダークナイト』IMAX版。その存在を知りながらも、長らく目にすることに出来なかった多くのファンたちは、これでやっと完全版とも言えるフルサイズでの上映を鑑賞することができるのだ。
『ダークナイト』予告
元々フィルム上映できるIMAXシアターは、劇場用映画を上映するのではなく、教育用やIMAX専用映像を上映する、大型映像上映施設として全国各地に存在していた。当時はまだ映画館では上映されていなかった3D映像を体験できることもあり、映画館というよりも、一種のアトラクション施設として存在していたと言えば、分かりやすいかもしれない。
しかし、『ダークナイト』が公開された2008年頃はその存在も姿を消しつつあった。また、世界のIMAXシアターでは、劇場用映画をかけている劇場も存在したが、日本で劇場用映画をかけていたIMAXシアターは非常に稀であった。
実は筆者は、『ダークナイト』の前作『バットマン・ビギンズ』(05)を、品川のIMAXシアター(02~07)で鑑賞している。『バットマン・ビギンズ』はIMAX撮影された作品ではなく、いわゆる普通の劇場用映画をIMAXシアターでかけたに過ぎないが、それでもその迫力には圧倒されてしまった。押井守監督の『イノセンス』(04)も同劇場で見たが、こちらも言葉を失うほどの体験であった。
『ダークナイト』公開当時の2008年は、世界のIMAXシアターではIMAX版のフィルム上映が行われていたものの、日本ではおそらくフルサイズのIMAX版は上映されていない。当時のパンフレットにも、IMAXのことは全く言及されておらず、前述の品川のIMAXシアターも2007年には閉館してしまっていた。もしかすると、日本のどこかのIMAXシアターのイベントなどで、限定的に『ダークナイト』IMAX版がフィルム上映されていた可能性もあるが、はっきりとした記録を見つけることは出来なかった。(*1)
公開から12年。日本でもやっとフルサイズのIMAXが鑑賞できることとなった『ダークナイト』。これでやっと、ノーランが本来意図した映像を見ることができるようになったのである。
(*1)追記:2008年に大阪・天保山のサントリーミュージアムIMAXシアターで、『ダークナイト』IMAXフィルム上映が行われていました。