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『TENET テネット』IMAXプロローグ版に垣間見る、ノーラン映画の真髄

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『TENET テネット』IMAXプロローグ版に垣間見る、ノーラン映画の真髄

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IMAXフルサイズで迫る『TENET テネット』の緊迫感



 では何故このタイミングで、『ダークナイト』IMAX版が上映されるのか?


 新型コロナウイルスの影響で新作映画の上映が軒並み延期された今、その代替として過去の名作が上映されるようになってきており、『ダークナイト』もこの流れに追随したのが、その理由のひとつと言えるだろう。もうひとつは、前述の通りIMAXでの視聴環境が整ってきたこと。そして、最大の理由としては、クリストファー・ノーラン監督最新作『TENET テネット』の、公開前プロモーションを兼ねていることが挙げられる。


 今回の『ダークナイト』IMAX版の上映前には、約6分間の『TENET テネット』本編映像が流される。プロローグと呼ばれるその映像は、IMAXカメラで撮影されており、IMAXレーザーGTのスクリーンでは、フルサイズの画角である1.43:1での上映となる。これは昨年末に公開された『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(19)の本編上映前にも、一部のIMAX劇場で限定的に公開されたものだ。



 巨大なコンサートホール。演奏準備に入るオーケストラ。演奏の始まりを待つ多数の観客。VIPルームで演奏を待つ、政府要人と思しき人物。そこへ突如現れるテロリストたち。一気にパニックに陥るコンサートホール。緊張が走るVIPルーム。一方外では、突入を待機している特殊部隊の姿。隊員の中には本作の主演、ジョン・デイビッド・ワシントンの姿も見える。催眠ガスと思われるものを通気口から流し込む隊員。次々と昏睡状態に陥るホールの観客たち。訓練された動きで一斉に突入する隊員。ホールで始まる銃撃戦…。


 と、唐突に始まるこの緊迫感溢れるシーン、ましてや眼前に迫るIMAXフルサイズの臨場感は半端なく、映画を見ている観客も一気にその渦中に引きずり込まれることとなる。あっという間の6分間だ。


 以前、『ダークナイト・ライジング』(12)の公開前も、同様のプロモーションが行われた経緯があり、同作冒頭にある、飛行機で護送されるベインを別の大型飛行機が急襲するシーンを、プロローグとして上映している。同作をご覧になった方はご存知かと思うが、飛行中の飛行機を大型飛行機とケーブルでつなぎ、その翼をもぎ取ってあっという間にベインを奪還、墜落させる、あのシーンだ。海外のIMAXシアターでは、このド迫力のシーンがフルサイズで上映されたのである。



 『ダークナイト・ライジング』といい『TENETテネット』といい、たった数分間の映像で、見ている者の度肝を抜き、強烈な印象を残すこの手法は、新作公開時に劇場に足を運ばせるには十分すぎる効果を持っている。ある意味、完璧なプロモーションとも言えるだろう。



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