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『キングスマン』軽妙洒脱なチャラさを取り戻した、新しいスパイ映画

『キングスマン』軽妙洒脱なチャラさを取り戻した、新しいスパイ映画

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女王陛下vs国王陛下



 「ウォッカマティーニを。ステアじゃなくてシェイクで。」


 ジェームズ・ボンドのキメ台詞の一つ。カクテルへのこだわりを見せる場面だ。本来マティーニはジンがベースで、香草で香りづけしたワイン「ベルモット」を加え、ステア(ゆっくりかき混ぜる)するものだ。007はまずベースをウォッカに変え、しかもシェイク(シャカシャカとシェイカーで混ぜる)させる。このこだわりはマティーニとしては傍流と言えるだろう。


 対して『キングスマン』エグジーのオーダーはこうだ。


 「マティーニを。もちろんウォッカじゃなくジンで。ベルモットは入れないで未開封のボトルを横目で10秒見たあとステアで。」




 これはこれで「カクテルグラスに入ったジン」でしかないのだが、実は由緒あるイギリスらしい「マティーニ」なのである。そもそもマティーニはドライ(辛口:アルコール度数が高い)が信条のカクテルで、最初のレシピはジン1に対しベルモット2だったが、すぐに逆転して2:1となり。現在のポピュラーな比率は4:1だ。さらにジンにベルモットを一滴たらしただけの「エクストラ・ドライ・マティーニ」まで存在するそうだ。


 ドライ・マティーニ好きなイギリスの元首相ウィンストン・チャーチルはさらにドライを極める。それは「ベルモットの瓶を眺めながらジンを飲む」という1:0のマティーニである。しかも「瓶を正面から見ると甘くなりすぎるから横目で」というこだわりまで加えて。エグジーの場合は瓶を横目で見るのもバーテン任せという超エクストラ・スーパー・ドライ・マティーニとなる。


 このマティーニに対するこだわりのオーダーからも解るが『キングスマン』は007への強い想いに溢れた作品になっている。そもそもタイトルからして、原題『Kingsman: The Secret Service』は『女王陛下の007』の原題『On Her Majesty's Secret Service』との対照になっていることからも明らかだ。



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