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『未来世紀ブラジル』誕生のきっかけとなったギリアムの突発的インスピレーションと名曲の調べ

(C)2016 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

『未来世紀ブラジル』誕生のきっかけとなったギリアムの突発的インスピレーションと名曲の調べ

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当初のタイトル候補には「1984 1/2」というものも



 彼の描く映画は、主人公がなりふり構わず突進する奇想天外な冒険モノが多い。『ドン・キホーテ』はもちろん、『バロン』も『バンデットQ』(81)も、初期の作品『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(75)さえも同様だった。


 これらに比べると、『未来世紀ブラジル』の世界観はギリアム作品の中でもやや特殊な、それこそ『12モンキーズ』(95)や『ゼロの未来』(13)の起源となる部類に入るかもしれない。一説では、当初のタイトル案に「1984 1/2」というものもあったとか。これがジョージ・オーウェルの小説「1984年」と、フェリーニの名作『8 1/2』(63)を掛け合わせたものであることは容易に想像できよう。



『未来世紀ブラジル』(C)2016 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.


 本作の本格的な製作開始は1983年。ということは、まさにオーウェルが40年代の終わりに小説世界で描いた「未来」のまさに目前である。当のギリアムは小説こそ読んでいなかったものの、オマージュ的に意識していたのは事実のようだ。また、空を飛ぶ場面を始めとする夢と現実の交錯はフェリーニの影響をまざまざと感じさせる。他にもギリアムは、本作について語るとき「フランツ・カフカ」「ウォルター・ミティ」などのキーワードを挙げることもある。



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