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『未来世紀ブラジル』誕生のきっかけとなったギリアムの突発的インスピレーションと名曲の調べ
『未来世紀ブラジル』あらすじ
20世紀のどこかの国。情報局の小官吏サムの慰めはヒーローになった自分が天使のような娘と大空を飛ぶ夢想に耽ることだった。ある日、書類の印字ミスから善良な靴職人が大物テロリストと間違われて処刑されてしまう。後処理のため未亡人のアパートを訪れたサムは、そこで夢の中の娘に出会う……。
Index
世界中で愛される、逸話だらけの奇才監督
テリー・ギリアム監督といえば、今やすっかり「ドン・キホーテ」の人としてお馴染みになった。かつて製作続行不可能となった企画を、20年越しにようやく劇場長編『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』(18)として実らせた彼だが、しかし彼が映画史上に残してきた伝説は決してそれだけではない。
少し記憶を遡ると、史上最大の失敗作(?)との呼び声高い『バロン』(88)のことも思い出されるし、さらにその前には何と言っても『未来世紀ブラジル』(85)があった。本作のアメリカ版ファイナルカットをめぐって映画会社と大揉めしたことは一冊の本「バトル・オブ・ブラジル」にまとめられるほどの語り草となっている(あまりに有名な出来事なので、ここではあえて触れないが)。
『未来世紀ブラジル』予告
とにかく彼の周りにはあまりに逸話が多すぎて、彼がかつて一世を風靡したコメディ集団「モンティ・パイソン」のメンバーだったことすら失念しそうになるほど。でも何だかんだ言っても、結局みんなギリアムのことが大好きなのだ。それは動かしようのない事実。世界中を見回しても、これほど愛される映画監督は珍しいのではないか。