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『ブラックホーク・ダウン』全編2/3を占める戦闘シーンの衝撃と虚無感

(c)Photofest / Getty Images

『ブラックホーク・ダウン』全編2/3を占める戦闘シーンの衝撃と虚無感

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なぜ長大な戦闘シーンを持つ映画となったのか?



 『ブラックホーク・ダウン』は この「モガディシュの戦闘」と呼ばれる捕縛作戦の一部始終を、2時間15分の上映時間に凝縮し、ほぼ全編を費やして描いていく。


 この映画の戦闘シーンが主張する“落ち着きのなさ”に気づいたのは、筆者が本作の内覧試写を、配給元である東宝東和の関西支社で鑑賞したときだ。開巻から最初のうちは、普通に物語へと身を投じていたのだが、本編が始まり1時間半をすぎたあたりから、「さっきからえらく長いこと、ドンパチな展開しか目にしとらんぞ」と感覚的な引っかかりを覚え始め、次第に、この永遠に続くかのようなシーンがどこで一段落するのか、そのことだけに集中力を奪われていったのだ。


 そして終映後にロビーへと出たときには、同席者たちがそれぞれに顔を見合わせながら、みな一様に深いため息をもらし「ようやるわ」と半笑いで言葉を絞り出したのが強く思い出される。



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 実際のところ、どのくらいの長さがあったのか——? そこで後日、改めて同作の完成披露試写へと赴き、ストップウォッチで測ってみるという行動に出た。


 計測は特殊部隊が基地からモガディシュへと飛び立つところをスタートとし、生き残った部隊の兵士たちがスタジアムに逃げ込むところまでを停止点とした場合、カウントされた時間はなんと約1時間35分。全編のおよそ2/3を占めていたのだ。


 それにしても、なぜここまで戦闘シーンの長い作品になったのか?もちろん、15時間に及んだ戦いを一本の映画に収めれば、戦闘の描写が比重を占めて当然かもしれない。しかし要因はそれだけでなく、いくつかの理由が付帯している。


 ひとつは本作の監督であるリドリー・スコットの、スティーブン・スピルバーグへのライバル心が根に存在する。この詳細は『プライベート・ライアン』のコラムで触れているので参照いただくとして、なによりも映像表現を徹底追求する二人の巨匠の闘争が、究極的な長さを持つ戦闘シーンへの推進力となっている。



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