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『ザ・セル』は解剖台の上でミシンとこうもり傘が偶然出会ったように美しいか?

(c)Photofest / Getty Images

『ザ・セル』は解剖台の上でミシンとこうもり傘が偶然出会ったように美しいか?

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石岡瑛子の仕事



 『ザ・セル』で様々なアート作品や絵画からの引用を、衣装の形で表現しバックアップしたのが石岡瑛子である。


 石岡は70年代から80年代にかけてパルコの広告などのアート・ディレクターを務めるという、現在の日本の優れた広告デザインの基礎を作ったと言っても過言ではない伝説的な存在である。80年代中盤以降はニューヨークに拠点を移し、ブロードウェイの舞台美術やハリウッド作品の衣装などを手がけるようになる。


 中でも石岡を世に知らしめたのは、ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」を忠実に映画化したフランシス・フォード・コッポラの『ドラキュラ』(92)だろう。真っ赤に脈打つ筋肉組織を思わせる甲冑や、優雅なエリザベスカラーをあしらったドレスなど、時代設定に目配せしつつ大胆なアレンジを加えた衣装群は、アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した。



 石岡とターセム・シン監督は『ザ・セル』で初めてタッグを組み、以降『落下の王国』(06)『インモータルズ -神々の戦い-』(11)『白雪姫と鏡の女王』(12)と、どれも石岡らしい記名性の高い見事な衣装を提供し続け、その蜜月は2012年の石岡の逝去まで続いた。


 石岡逝去後のターセム作品『セルフレス/覚醒した記憶』(15)では、それまでのファンタジックな作風を捨ててしまったことからも、石岡の存在の大きさが伺える。



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