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『レザボア・ドッグス』何者でもない映画青年たちを男にした、ハーヴェイ・カイテルという存在

『レザボア・ドッグス』何者でもない映画青年たちを男にした、ハーヴェイ・カイテルという存在


一人、また一人と集まる伝説のキャスト陣



 カイテルの尽力は計り知れない。彼は単に出演とプロデュースにとどまらず、オーディションにも足を運んで、候補者たちと読み合わせを行った。さらに彼は「LAだけでなく、ニューヨークの俳優たちも見ておいたほうがいい」とアドバイス。金のないタランティーノらの諸経費を援助して、自らも行動を共にし、NYでのオーディションを敢行した。このようにしてスティーブ・ブシェミやマイケル・マドセン、そしてティム・ロスといった、のちの常連俳優との出会いがもたらされたわけである。


 一つ一つの出会いにエピソードがある。運命のキャストが集結してくる様子は、ある意味、『 七人の侍』が一人、また一人とリクルートされていく過程ともどこか似ている。オーディション会場では志村喬よろしくカイテルがデンと構えて睨みを利かせた。オーディションにナイフやおもちゃの拳銃などの小道具を持ち込む応募者も多く、格闘シーンで本気でぶつかってくる奴もいた。LAでもNYでも白熱したやり取りが続いた。


 そんな中、別枠で声をかけたティム・ロスは天下のカイテルが依頼しても絶対に脚本の読み合わせをしようとはせず、パブで酔った末にようやくタランティーノにだけ演技を披露してくれたとか。マドセンもまた、オーディションで演技をするどころか「ちょっと話そう」と世間話を始めるような一筋縄ではいかない強面だった。




 オーディションでそれほどいい状態ではなかったブシェミに至っては、タランティーノから「俺から役を奪ってみせろ!力づくで来い!」と挑発されたなんていう逸話も残っている。そして、獄中暮らしの長い作家エディ・バンカーの出演も決定した。そんなひと癖もふた癖もある連中が顔を揃え、この映画は見たこともないような化学変化を引き起こし始めようとしていた。



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