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『アメリカン・スナイパー』ハリウッドで大論争を巻き起こした、イーストウッド最大のブロックバスター

(c) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

『アメリカン・スナイパー』ハリウッドで大論争を巻き起こした、イーストウッド最大のブロックバスター

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クリス・カイルを突然襲った悲劇



 ブラッドリー・クーパーは、さっそく役作りを開始する。もともと彼は、クリス・カイルとほぼ同じ身長・年齢で、靴のサイズまで同じ。唯一の違いが体重で、「伝説の狙撃手」を演じるにはやや細すぎた。そこで彼は1日6,000kcalの食事を摂り、毎日4時間のトレーニングを敢行する。ロバート・デ・ニーロやクリスチャン・ベールばりの徹底した肉体改造を行ったのだ。


 しかも、クリス・カイルが実際に聴いていた音楽のプレイリストをかけ、彼の写真をジムの壁に貼ってトレーニングするという徹底ぶり。その結果、185ポンド(約84キロ)から225ポンド(約102キロ)への増量に成功。カラダを作り上げて髭を生やしたクーパーの姿はまさにクリス・カイルそのもので、その激似ぶりにカイルの友人や家族も驚きを禁じ得なかったという。


(c) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC


 スピーチ・コーチを招いて、テキサス男特有のアクセントを体得。クリス・カイルと一緒に従軍した経験もあるケヴィン・ラッツの指導のもと、射撃の訓練も行った。あらゆるアプローチから、ブラッドリー・クーパーは少しずつ自分をクリス・カイルそのものに適応させていったのだ。彼の演技は批評家からも絶賛され、『世界にひとつのプレイブック』、『アメリカン・ハッスル』(13)に続き、アカデミー賞に3回連続でノミネート。それは俳優として、アカデミー賞の長い歴史の中でも10人目となる快挙だった。


 しかし、クーパーがクリス・カイル自身に会うことは叶わなかった。2013年2月2日に殺害され、突如この世を去ってしまったからだ。犯人は、心的外傷後ストレス障害(P.T.S.D.)に悩まされていた退役軍人エディ・レイ・ルース。退役軍人を支援する活動にカイルが取り組んでいることを知ったルースの母親が、息子の助けを求めたのがきっかけだった。射撃をすることで、鬱屈していた精神が解放されることを経験則として知っていたカイルはルースを射撃場に誘い、その場で殺されてしまったのである。


 この事件を受けて、脚本にはクリス・カイルが運命の日に銃弾に倒れてしまうシーンも書かれていた。しかし残された家族にはあまりにもショッキングな出来事であったため、最終的にこのシーンはカットされることになる。




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