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『トータル・リコール』4Kデジタル・リマスターで観直す圧倒的な特殊効果

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『トータル・リコール』4Kデジタル・リマスターで観直す圧倒的な特殊効果

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監督自身も驚きを隠せない、4Kレストアの成果



 “筋肉の超人”としてアクション映画界を牽引してきたスーパースター、アーノルド・シュワルツェネッガーのキャリアを代表するSFアクションスリラー『トータル・リコール』が、1990年の劇場公開から30周年を記念し、【4Kデジタル・リマスター】と銘打って2020年11月より全国公開された。


 近年、カロルコ作品の権利を所有するスタジオカナルが、自社ライブラリーの4K化を積極的におこない、日本では劇場公開の実績を得ている。『トータル・リコール』もそのひとつとして、オリジナルの35mmネガを4K規格でデジタルスキャンし、入念なレストア(復元)がほどこされた。特に同作の場合、ビデオリリース権と放送権がそれぞれ違う管轄にあったことも起因し、あまり綺麗とはいえない状態の放送マスターが長く市場で使い回されてきた。なので初公開時のコンディションよりも優れた状態で、しかも大スクリーンで観られるのは、この映画のファンのみならず多くの人にとって価値を有している。



 今回のレストアを主導したのは、フランスの映像プロダクションであるハイベンティ社。16ビット・tiffフォーマットで4Kデータ化された本作を、監督であるポール・バーホーベン監修のもとでカラーグレーディング(色調補正)し、本格的な修復がおこなわれた。併せてサウンド面でのレストアもなされ、映画音楽の巨人ジェリー・ゴールドスミスが作曲したオリジナルのサウンドトラックも、より響きのいい音質となってよみがえっている。


 加えて今回の4Kデジタル・リマスター版では、イントロダクションにバーホーベン監督の撮り下ろしインタビューを見ることができる。そこで監督は今回の新たなバージョンを「素晴らしい。そこには立体的と言ってもいいほどのディテールがあるんだ」と称賛し、自ら喜びを噛み締めているようだ。監督にとってもオランダからハリウッドへと進出し、『ロボコップ』(87)の成功を経てさらに大舞台へと挑んだ作品であり、アニバーサリーを祝うこの計らいに対して感激もひとしおだろう。


 なにより現在『トータル・リコール』といえば、2012年に公開されたレン・ワイズマン監督/コリン・ファレル主演による同名リメイク作を指し示す世代が増え、ここは90年版の存在を改めて認識させるのによい機会といえる。もちろん2012年版も固有の価値を有しているが、オリジナルが同バージョンにもたらした影響はとてつもなく大きい。古典は古典としてきちんとその役割を捉え、原点に改めて接することによって、新旧両作へのより深い理解をうながす一助となるだろう。




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