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『スターシップ・トゥルーパーズ』議論を呼んだSF戦争アクションが伝えたかったものは?

『スターシップ・トゥルーパーズ』議論を呼んだSF戦争アクションが伝えたかったものは?

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賛否両論!議論を呼んだSF大作



 数あるSFアクション映画の中でも、こんなにも多くの熱狂的なファンを生み出し、一方で多くのアンチを生み出した映画は珍しい。SF小説の大家ロバート・A・ハインラインの名著「宇宙の戦士」に基づく『スターシップ・トゥルーパーズ』(97)。それはとてつもなく大きな賛否の渦を巻き起こした。好き・嫌いが分かれるのは映画の常だが、大好き・大嫌いという振り幅の大きさの点でも、本作は他の映画に比べても群を抜いている。いずれにしても、本作は見る者の心を激しくざわつかせる映画だ。


 『ロボコップ』(87)『氷の微笑』(92)などヒット作を連発してきたポール・ヴァーホーヴェン監督は、「こんな映画をハリウッドのメジャースタジオの下で、作れるとは思ってもいなかった」と語る。過激なエネルギーに満ち溢れていた『スターシップ・トゥルーパーズ』とは、いったい何だったのか。ここでは、その本質に迫ってみよう。



 トライスター・ピクチャーズとともに共同で製作を手がけたタッチストーン・ピクチャーズは、ウォルト・ディズニー・スタジオが大人向け作品の製作を目的にして設立したプロダクションで、『アルマゲドン』(98)などのヒット作で知られている。「大人向け」とはいえディズニー・ブランドなので、興行を広げる意味でも過激な描写は避けたい。


 しかし、本作はタッチストーンの作品には珍しく、全米で17歳未満の鑑賞を制限するRの指定を受けた。理由は殺戮描写とセックス描写。現在のディズニーのブランド・イメージでは考えられないことだが、そういう意味でも本作は論争を呼ぶ可能性が十分に備わっていたのだ。


 しかし過激な描写以上に、ここには論議を呼ぶ要素があった。それに触れるまえに、本作のストーリーを簡単に振り返ってみよう。23世紀、宇宙に進出した地球の連邦政府は軍事国家と化し、バグズと呼ばれる巨大昆虫型の宇宙生物と戦闘を繰り広げている。



 主人公の若者ジョニー・リコはハイスクールを卒業した後、恋人カルメンの後を追って、学友たちとともに志願して連邦軍の兵士となる。厳しい訓練を経て戦地の惑星に飛び、壮絶な戦闘へ。戦友は次々と命を落とし、彼も生死の境をさまよった。それでも戦線に復帰して、また前線へ。そのさなか、宇宙船のパイロットとなっていたカルメンの危機を知り、ジョニーは命がけの戦いに臨む。


 ざっくりと説明したが、これだけならば、よくある戦争娯楽作で、ジョニーをヒーローにしていることは想像できるだろう。しかし映画をじっくり見ると、そこには違和感が沸いて出てくる。まず、戦争を主導する地球連邦軍の姿勢。ジョニーが通う高校では軍事的方針に則った教育が行われている。バグズは悪であり、倒すべき対象。コンピューターやテレビから流れてくる映像も、「バグズを倒せ! 軍に志願しよう!」という政府のプロパガンダ映像ばかりだ。



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