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『ベスト・キッド』師匠の存在感が主人公を超えてしまった、最高のメンター映画

(c)Photofest / Getty Images

『ベスト・キッド』師匠の存在感が主人公を超えてしまった、最高のメンター映画

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脚本家ロバート・マーク・ケイメンの半自伝的青春ドラマ



 そもそも『ベスト・キッド』のアイディアは、プロデューサーのジェリー・ワイントローブがテレビの空手番組を観たことがきっかけだった。学校でいじめられていた子供が、空手を必死に学んで黒帯を取得。「だけどケンカはしないよ。無意味だもん」と語る少年の言葉に、ワイントローブはいたく感銘を受ける。これは映画になる!


 さっそく、『トランスポーター』シリーズや『96時間』シリーズで知られる脚本家、ロバート・マーク・ケイメンが招聘される。彼もかつて、いじめっ子から身を守るために空手を学んでいた。最初に入門した道場は、武術を暴力の道具として教える軍隊のようなところだったという。おそらく、「情けは捨てろ(No Mercy)」を教義とするコブラ会のような道場だったのだろう。それに反発したケイメンは、「剛柔流」の扉を叩く。


(c)Photofest / Getty Images


 「剛柔流」は、宮城長順(みやぎ・ちょうじゅん)が開祖である、1930年に命名された空手道の流派。周囲から「ミヤギ先生」と呼ばれていた彼は、東恩納寛量から学んだ那覇手に独自のメソッドをミックスさせて、のちに沖縄三大流派の一つとなるカラテを確立した。そう、ミスター・ミヤギという名前は宮城長順に由来しているのである。その直弟子に当たるのが、渡口政吉(とぐち・せいきち)なる人物。


 彼に師事した玉野十四雄がニューヨークに道場を開き、その門下生としてケイメンは日々鍛錬を行なっていた。弟子をときには優しく、ときには厳しく導くミスター・ミヤギのメンターとしてのモデルは、渡口政吉とされている。主人公ダニエル(ラルフ・マッチオ)が両手を広げる「鶴の構え」は、渡口が考案した「白鶴の型」をモチーフにしている。


 『ベスト・キッド』は、ロバート・マーク・ケイメンの半自伝的青春ドラマ。そこには、渡口センセイへのリスペクトが溢れている。




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