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『エネミー・オブ・アメリカ』コッポラの名作『カンバセーション…盗聴…』との比較で見えてくるもの

(c)Photofest / Getty Images

『エネミー・オブ・アメリカ』コッポラの名作『カンバセーション…盗聴…』との比較で見えてくるもの

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コッポラの名作『カンバセーション…盗聴…』との共通点とは?



 ブラッカイマー作品といえば、役者どうしの化学反応も見どころのひとつ。かつてマイケル・ベイ監督作『ザ・ロック』(96)では従来のバディ物の常識を覆し、ニコラス・ケイジとショーン・コネリーという新鋭とレジェンドを組ませて、これまでにないアクション映画を作り上げたのも鮮烈だった。しかもコネリーの役柄は、ジェームズ・ボンドがそのまま歳を重ねたかのような”元英国諜報員”だというのだから、たまらない。


 その流れは、『エネミー・オブ・アメリカ』におけるウィル・スミスとジーン・ハックマン(奇しくも彼はショーン・コネリーと同じ1930年生まれ)というバディにも、確実に受け継がれている。


『カンバセーション…盗聴…』予告


 本作におけるジーン・ハックマンの役どころは、数々の電波傍受や秘密作戦に参加してきた元NSA(国家安全保障局)の凄腕エージェント”ブリル”。そう聞いてハッとする人も多いだろう。なぜならハックマンがかつて、フランシス・フォード・コッポラ監督の傑作『カンバセーション…盗聴…』(74)で演じた”ハリー・コール”も、これと似た技能の持ち主だからだ。すなわち、コールを20歳ほど老けさせれば、そのままブリルの出来上がりということになる。


 もちろん『カンバセーション…盗聴…』と『エネミー・オブ・アメリカ』はオフィシャルな続き物ではないし、ジーン・ハックマン演じる二つの役柄も同一人物とは言い難い。しかし誰にでも想像の範疇で遊ぶ自由くらいは許されているはずで、まさにその隙間を狙うかのように、『エネミー・オブ・アメリカ』にはオマージュと呼ぶにふさわしい”目配せ”が、至るところに仕掛けられている。というわけで、この二作を見比べた時に気づかされる点をいくつかをご紹介しよう。




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