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『ジェントルメン』あれからみんな大人になった。まるで20年後の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』

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『ジェントルメン』あれからみんな大人になった。まるで20年後の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』

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『ジェントルメン』あらすじ

ロンドンの地で大麻によって巨額の富を築いた“大麻王”のミッキーは裏社会の仕事から足を洗うため、総額500億円もの事業を売り払って引退し、妻との穏やかな生活を歩もうとしていた。ミッキーはユダヤ人の大富豪を売却先に選ぶ。ところが、彼の周囲にはミッキーを邪魔する男たちがうごめいていた。ミッキーは、彼らの思惑をくぐり抜けて事業を売却することができるのか。


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ガイ・リッチー、初期作のアップデート



 『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)で華々しい長編デビューを飾った映画監督ガイ・リッチーは、長年にわたり、スタイリッシュな映像とアクション、ファッションによって語られてきた人物。しかし、最新作『ジェントルメン』(19)を観ると、その本領がじつはストーリーテリングにこそあったことがよくわかる。本作はリッチーが「物語を語る」ことの技巧をたっぷりと詰め込んだ一作だ。


 物語の主人公は、ロンドンの地で大麻によって巨額の富を築いた“大麻王”のミッキー。彼は裏社会の仕事から足を洗うため、総額500億円もの事業を売り払って引退し、妻との穏やかな生活を歩もうとしていた。ミッキーはユダヤ人の大富豪・マシューを売却先に選ぶ。ところが、彼らの周囲にはミッキーの悪事をさらけ出そうとするゴシップ誌の編集長・デイヴ、ミッキーらを嗅ぎ回る私立探偵・フレッチャー、ミッキーと対立する中国人マフィアのドライ・アイ、さらに血気盛んな若者を束ねるボクシングジムのコーチらがうごめいていた。王であるミッキーは、彼らの思惑をくぐり抜けて事業を売却することができるのか。一筋縄ではいかない男たちの駆け引きが始まる。


『ジェントルメン』予告


 本作『ジェントルメン』について、ガイ・リッチーは早くから「今回は原点回帰」だと率直に語ってきた。製作のビル・ブロックも、これは「過去作へのトリビュート」であり「関連するテーマやよく似たキャラクターが20年間のうちに進化」した作品だと話している。


 思えば、デビュー作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』は、ロンドンの若い不良グループが大麻と現金を強奪したことから、ギャングとマフィアの抗争に巻き込まれる物語だった。ブラッド・ピットら出演の『スナッチ』(00)も、一粒のダイヤモンドを巡って若者やマフィア、賞金稼ぎらが入り乱れる犯罪群像劇。これら2作品の凝った構造とストーリー、独創的でドライブのかかった演出は、世界各国の映画・ドラマに大きな影響を与えたのである。


 『ジェントルメン』は、それから約20年を経て、ガイ・リッチー自らが当時のコンセプトや作劇を更新した一本だ。物語の構造、キャラクターとセリフ、そして描かれる内容のすべてに月日の流れを感じることができる。




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