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『モータルコンバット』IMAX®で強化される〈リアル〉と〈荒唐無稽〉の幸福な融合
IMAX®でこそ際立つ〈リアル〉と〈荒唐無稽〉
2021年に蘇った映画版『モータルコンバット』には、ゲームのファンを喜ばせる目配せはもちろん、ゲームを知らない観客にも親切な構造、最新のアクションに目の肥えた映画ファンを満足させるサプライズ、世界観を支える地に足の着いた演出と、さまざまな仕掛けが用意された。こういた作品のポテンシャルは、優れた鑑賞環境を実現するIMAX®版でフルに発揮されることになる。
最もわかりやすいポイントが、「モータルコンバット」ならではの〈荒唐無稽〉だ。リアリティを追求した本作だが、そもそも「モータルコンバット」というゲームを原作とするゆえに、そして95年版の方向性をある意味では踏襲しているために、愛すべき〈荒唐無稽〉も継承されている。たとえば、ハンゾウとビ・ハンの対決直後に飛び込んでくるテロップには思わず目を疑うかもしれないし、現実にはありえないようなアクションと残酷表現の数々はひたすらに楽しい。観客に細かいことを考えさせる暇を与えないかのような、熱量と勢いでねじ伏せていくテンションの高さもある。
『モータルコンバット』© 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
IMAX®版の醍醐味は、こうした「モータルコンバット」らしい〈荒唐無稽〉と、マッコイド監督が追求した〈リアル〉の両方がしっかりと増強されるところにある。ド派手でクールなアクションは、さらにパワーアップ。目を覆うような残酷描写はよりグロテスクに。またIMAX®ならではの大画面ゆえ、美術や衣裳などの作り込みを確かめることができ、戦闘のさなかに垣間見える心理描写も余すところなく伝わる。アクションで全編が展開する本作においては、表情や視線による芝居も絶対に見逃せない。
また、映画をこれでもかと盛り上げてくれる音楽や、アクションを彩る効果音の演出もIMAX®版の上質な音響設計でその真価を発揮する。音楽を担当したベンジャミン・ウォルフィッシュは、95年版にも使用されたテーマ曲をはじめとするゲームの音楽を再構築し、バトルシーンとの親和性抜群の劇伴音楽を作り上げた。打撃、刃、鎖、ビーム、雷、銃など、それぞれの戦い方を象徴するサウンドも各キャラクターの戦いぶりに厚みを与え、さらなる臨場感をもたらしてくれる。
コール役のルイス・タンは、自身のTwitterにて「IMAX®版は(通常上映とは)別の体験」と記した。原作に忠実な映像化を目指しつつ、実写映画ならではの工夫を凝らした『モータルコンバット』。本作の劇場公開は、ゲームが日本に上陸していない今、この国のプレイヤーや観客にとって重要な機会となるだろう。できるだけ優れた環境で、その真価をたっぷりと味わい尽くしてほしい。
IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation.
参考資料:
映画『モータルコンバット』プレス資料
Man of action: Mortal Kombat star Lewis Tan enters a new arena with his meatiest role yet https://ew.com/movies/mortal-kombat-lewis-tan-interview/
'The birth of Scorpion': Mortal Kombat star goes behind iconic character's vengeful origins https://ew.com/movies/mortal-kombat-scorpion-hiroyuki-sanada-interview/
Mortal Kombat Movie Director Talks Gore and Pushing the Envelope https://comicbook.com/gaming/news/mortal-kombat-simon-mcquoid-interview-gore-violence/
'Mortal Kombat' Producer Todd Garner Explains the Movie's Long Development, Including MCU Influences https://collider.com/mortal-kombat-movie-mcu-influences-todd-garner-interview/
Lewis Tan – Twitter https://twitter.com/thelewistan/status/1388253344838275072
文:稲垣貴俊
ライター/編集/ドラマトゥルク。映画・ドラマ・コミック・演劇・美術など領域を横断して執筆活動を展開。映画『TENET テネット』『ジョーカー』など劇場用プログラム寄稿、ウェブメディア編集、展覧会図録編集、ラジオ出演ほか。主な舞台作品に、PARCOプロデュース『藪原検校』トライストーン・エンタテイメント『少女仮面』ドラマトゥルク、木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談―通し上演―』『三人吉三』『勧進帳』補綴助手、KUNIO『グリークス』文芸。
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『モータルコンバット』
6月18日(金) 全国ロードショー
配給: ワーナー・ブラザース映画
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