(C)2018 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited, RatPac-Dune Entertainment LLC
『15時17分、パリ行き』映画を次のステージへと進化させようとするイーストウッドの野心作※注!ネタバレ含みます。
2018.03.14
『15時17分、パリ行き』あらすじ
2015年8月21日、アムステルダム発パリ行きの高速列車タリスが発車した。フランス国境内へ入ったのち、突如イスラム過激派の男が自動小銃を発砲。乗務員は乗務員室に逃げ込み、500名以上の乗客全員が恐怖に怯える中、幼馴染の3人の若者が犯人に立ち上がったー。
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なぜか低い評価・・・観客のとまどい
クリント・イーストウッド監督の最新作『15時17分、パリ行き』が3月1日から公開されている。筆者は劇場で初日に鑑賞したが、エンドロールが終わり、館内の照明がついた後、気持ちの定まらない微妙な空気が客席に漂っていた。日本より1か月ほど早く公開されたアメリカでの評価は低い。映画レビューサイトのロッテントマトでは、批評家の満足度がわずか25%だった。
『15時17分、パリ行き』は2015年8月にアムステルダムからパリへと向かう高速鉄道内で起こったテロ事件の顛末を描いている。主人公は犯人を取り押さえた3人のアメリカ人青年。彼らは如何にして無差別テロを未然に防いだのか?観客は列車内で繰り広げられる手に汗握るサスペンス、重厚なドラマを期待したに違いない。しかし、作品には多くの観客が期待した、いわゆるジャンル映画としてのドラマは皆無だった。これは87歳のイーストウッドが47年の監督人生でたどり着いた究極の実験映画だったのだ。
『15時17分、パリ行き』(C)2018 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited, RatPac-Dune Entertainment LLC