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『15時17分、パリ行き』イーストウッドが作り続ける「教育」映画の最新アップデート

『15時17分、パリ行き』イーストウッドが作り続ける「教育」映画の最新アップデート


映画の中の師匠と弟子



 イーストウッド初期の監督作『 アウトロー』(1976)や、アカデミー作品賞を獲得した『 許されざる者』(1992)といったウェスタンでは、若い未熟なガンマンを成熟した西部の男イーストウッドが教え導くという関係性が物語の重要な要素だった。


 海兵隊の鬼教官を演じた『 ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986)では新兵たちに戦場で生き抜く術を愛情とは裏腹な態度で教え込む。そして女性ボクサーとトレーナーの交流を描いた『 ミリオンダラー・ベイビー』(2004)は言わずもがなだろう。


 近年の作品で「伝承」そのものをテーマとしたのが『 グラン・トリノ』(2008)だ。年老いた自動車工場の元工員が、アジア系少数民族の少年にアメリカ人の男としての生き様を身を持って教えていく。「自分のことは自分でやれ、人に頼るな」と小学生の頃に親から言われたような説教を孤独なイーストウッド親父が少年に寄り添いながら教え諭すという「説教映画」の傑作として記憶されるべき作品だ。


※注!以下、『グラン・トリノ』のラストに触れています。



 作品のラスト、イーストウッド演じる老人は少年に人間としていかに生きるかというメッセージを残し命を落とす。初めて役柄の上で自分を殺すという選択を下したイーストウッドは、劇中の老人を体現するかのように、その後自らの監督作に一切出演しなくなった。



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