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『DUNE/デューン 砂の惑星』新たなIMAX規格で生まれた傑作SF。巨大画面&フルフレームのIMAXで味わう醍醐味とは⁉︎

©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

『DUNE/デューン 砂の惑星』新たなIMAX規格で生まれた傑作SF。巨大画面&フルフレームのIMAXで味わう醍醐味とは⁉︎

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「大型イベントムービー」であることを意識した画作り



 なにより主人公ポール・アトレイデスを演じるティモシー・シャラメの、抗えぬ宿命に苦闘する表情が上下切られることなく、また白飛びのないスキントーンを維持したまま大画面で映し出されるさまに、男女問わず感情を揺り動かされるのではと実感する。だが逆も然りで、IMAXは禍々しきキャラクターの異貌を大写しにしてインパクトをもたらす。特にステラン・ステルスガルドが怪演するハルコンネン男爵の威圧的な役作りと存在感は、かのフランシス・フォード・コッポラ監督のベトナム戦争大作『地獄の黙示録』(79)のカーツ大佐(マーロン・ブランド)を彷彿とさせる。ひいては砂塵舞うアラキスのパノラミックな景観に、デヴィッド・リーン監督のエピック歴史ドラマ『アラビアのロレンス』(62)が重なるのだ。これらはまさしくヴィルヌーヴの言う「ビッグスクリーン体験へのオマージュ」を体現しているといっていいだろう。



『DUNE/デューン 砂の惑星』©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved


 ただIMAXシアターが導入されているシネコンは大都市に集中し、ましてや1.43:1を日本で鑑賞できるのは大阪の「109シネマズ大阪エキスポシティ」か、東京の「グランドシネマサンシャイン池袋」という2ヶ所のオーディトリアムに限定されている。これまで県をまたぐ移動は自粛を求められていたが、緊急事態宣言が解除されたいま、個人的には遠征による同フォーマットでの鑑賞を推奨したくなる。そうしてまで観る価値は充分にあるからだ。


 もちろんさまざまなアスペクト比のバージョンに優劣はなく、それぞれのフレーム構成には作り手の意図が反映されており、どの『DUNE』も固有の価値を持っている。まずは「これ一択に限る」といった禁欲的な考えを捨て、最寄りのシネコンでワイドスクリーン2.39:1の本作をご覧になり、フレキシブルな姿勢でIMAXでの鑑賞に臨んでほしい。視覚においても音響においても、また物語においても、2度以上の鑑賞を決して後悔させたりはしない映画だ。




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