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『DUNE/デューン 砂の惑星』新たなIMAX規格で生まれた傑作SF。巨大画面&フルフレームのIMAXで味わう醍醐味とは⁉︎

©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

『DUNE/デューン 砂の惑星』新たなIMAX規格で生まれた傑作SF。巨大画面&フルフレームのIMAXで味わう醍醐味とは⁉︎

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『DUNE』で得られるIMAXの視覚的な効果とは



 ヴィルヌーヴ監督は『DUNE』を「ビッグスクリーン体験へのオマージュとして作った映画」(*)だと言い、IMAX作品として本作を手がけた意図をこのようにたとえている。


 事実、IMAXバージョンの『DUNE』は、大型映画であることを意識させ、それを強調する演出が随所で見られる。たとえば登場人物たちのダイアログ(会話)を中心とするパートは2.39:1で、アクション・シークエンスになると1.90:1あるいは1.43:1に拡大する。このようなフォーマットの混合は先述した『TENET テネット』に見られるが、同作ではフィルムを走行させる駆動音が同録を妨げるため、ダイアログのパートは65mm/5パーフォレーション(アスペクト比2.20:1)のフィルムシネマカメラ、そしてアクション・シークエンスをIMAX フィルムシネマカメラで撮影したことから、そうした措置がなされていた。



『DUNE/デューン 砂の惑星』©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved


 一方で『DUNE』は全編を通じてALEXA LF撮影(シーンに応じてALEXA Mini LFを併用)なので、フィルムカメラのような駆動音の発現は比較的に抑えられているはず。でありながら、そのつど見られるこの切り替わりは、むしろアスペクト比の違いをアクセントとし、ビッグスクリーンパートの存在を顕在させるのだ。


 また、ALEXA LFは暗部のディテールまでも精細に写し撮るので、砂漠の惑星アラキスにおける砂の粒子ひとつひとつまでもがつぶさに再現され、加えて広いダイナミックレンジと色域を維持した階調表現が豊かなことから、砂紋が自然な色味をもって視界に広がってくる(ロケ撮影はヨルダンのワディ・ラム砂漠やアラブ首長国連邦(UAE)アブダビのリワオアシスなどで敢行)。また広角表現にアドバンテージがあり、そびえ立つオブジェのような外観を持つ宇宙哨戒船や移送船団、あるいは横だけでなく縦に船体の広いメカ兵器の描写をカバーし、均整のとれた構図とダイナミックな表現を得ることに成功している。アトレイデスに迫るハルコンネン軍の奇襲攻撃や、砂の大波を立てて進撃するサンドワーム(砂虫)に危機感を覚え、スクリーンのこちら側が安全圏に思えなくなるのも、深い没入をもたらすIMAXならではだ。




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