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リチャード・ケリー監督デビュー作『ドニー・ダーコ』無名の青年に奇跡をもたらしたキーパーソンと作品群とは?

リチャード・ケリー監督デビュー作『ドニー・ダーコ』無名の青年に奇跡をもたらしたキーパーソンと作品群とは?


脚本に関与したジェイク・ギレンホール



 ドニー役には、先述のジェイソン・シュワルツマンのほか、ヴィンス・ヴォーン、マーク・ウォールバーグも検討されたが、最終的に『 遠い空の向こうに』(1999年)で初主演したジェイク・ギレンホールが選ばれた。


 当時19歳のギレンホールは、タイトルロールにサインしてから約1カ月ケリー監督の家に通い、脚本について話し合った。台本にアイデアをびっしりと書き込み、監督と2人でドニーの台詞を微調整して脚本をブラッシュアップし、精神を病んでいるようで正気にも見える難しいキャラクターを自分のものにしていった。




ベテラン撮影監督が出した条件



 1944年生まれのスティーヴン・ポスターは、スピルバーグ監督作『 未知との遭遇』(1977年)の第2班撮影監督などを経て、80年代から撮影監督として活躍。リドリー・スコット監督の『 誰かに見られてる』(1987年)、シルヴェスター・スタローン主演の『 ロッキー5 最後のドラマ』(1990年)といった大作や話題作にも参加してきたベテランだ。


 ケリーが初めてポスターと会ったとき、31歳年上の撮影監督は、「知っておいてほしいことが2つある」と切り出した。「第1に、私たちの年齢差は忘れてくれ。第2に、自分は監督になる気はない。だから心配するな、君からこの映画を奪ったりしないから」


 ポスターの功績は、アナモルフィックレンズによる撮影を敢行したこと。これは画面の横方向を2分の1に圧縮してフィルムに撮影してから、ポスプロ時に2倍に戻してシネマスコープ(2.35:1)の映像を得るための特殊なレンズで、被写界深度が浅く美しいワイドショットを得られる反面、扱いが難しく撮影費用も高い。だが、ポスターの名声のおかげで、撮影機材を貸し出すパナビジョンと格安で契約できた。『ドニー・ダーコ』の緻密に計算されたショット、味わい深いルックは、ポスターによるアナモルフィックレンズでの撮影から生まれたのだ。


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