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『マネキン』愛と笑いとファンタジーが詰まった快作

(c)Photofest / Getty Images

『マネキン』愛と笑いとファンタジーが詰まった快作

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レンタルビデオで高回転



 1980年代後半、家庭にVHSが普及した時期、歩調を合わせるかのように、レンタルビデオ店も台頭。当時学生だった筆者は都内・私鉄沿線のレンタルビデオ店でアルバイトをしていたが、在庫も売り上げも右肩上がりだったと記憶している。主力はやはり劇場で大ヒットした映画だ。『ロッキー4 炎の友情』(85)や『エイリアン2』(86)『トップガン』(86)『プラトーン』(86)『ラストエンペラー』(87)『アンタッチャブル』(87)『レインマン』(88)などなどが、返却されるやすぐに貸し出される高回転を、長期にわたって続けていた。


 一方で、劇場公開時にソコソコのヒットを飛ばした程度なのに、ビデオで意外にも高回転した作品も少なくなかった。たとえば、『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(86)や『フェリスはある朝突然に』(86)などのジョン・ヒューズ関連作。マイケル・J・フォックスの『摩天楼はバラ色に』(86)も『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)以外の彼の主演作の中では図抜けた人気作となる。全体的に明るくてユーモラスな青春映画が多かった。


『摩天楼はバラ色に』予告


 これらの作品は、最初に上げた作品に比べると大作ではないし、超話題作とも言い難い。しかし、いずれも共感を抱けるドラマがあり、ユーモアがあり、気持ちのよいロマンスがあり、なおかつ後味もよかった。気軽に利用できるレンタルビデオの強みで、このような作品はクチコミで面白さが広まり、ジワジワと人気を高めていく。ちょうど35年前の2月に日本で劇場公開された『マネキン』(87)も、まさしくそんな作品だった。





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