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『ザ・フォッグ』映画のなかの「霧」はどのように描かれてきたのか?

(c)Photofest / Getty Images

『ザ・フォッグ』映画のなかの「霧」はどのように描かれてきたのか?

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霧のなかから現れる亡霊――『ザ・フォッグ』



 霧のなかから現れる人ならざる者。それをそのまま映画にしてみせたのが、ジョン・カーペンター監督の『ザ・フォッグ』(80)。当時、現在まで続く大人気ホラーシリーズとなった『ハロウィン』(78)で大成功をおさめたばかりのカーペンターは、テレビ映画『ザ・シンガー』(79)の後、再びホラー映画に回帰し、深い霧のなかから現れる亡霊たちと村の人々との攻防を描いた。


 舞台は、カリフォルニアの小さな港町アントニオ・ベイ。町の誕生100周年記念祭で沸き立つこの場所で、事件は起きる。原因不明の不気味な霧が町を覆い、次々に人々が殺されていく。それは、霧から現れる恐ろしい殺人鬼たちの仕業だ。だが殺人鬼そのものより恐ろしいのは、まるで毒ガスのように霧が人々を襲う様子。音もなくじわじわと迫り、目の前に現れたときにはもう遅い。ドアを閉めても、少しの隙間からでも霧はじわじわと流れこみ、逃げ道を塞いでしまう。


『ザ・フォッグ』予告


 霧/殺人鬼との必死の攻防を続けるのは、灯台にあるラジオ局で働くシングルマザーのDJスティーヴィー。演じるのは、当時カーペンターと結婚していたエイドリアン・バーボー。そして町にやってくるヒッチハイカーのエリザベスを、ジェイミー・リー・カーティスが演じている。先日、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(22)でアカデミー賞助演女優賞を受賞したジェイミー・リー・カーティスは、カーペンターの『ハロウィン』で人気俳優となり、その続編にあたる『ブギーマン』(81、リック・ローゼンタール監督)にも出演した。謎の怪物たちに襲われながら、「私がいるところでは、いつも変なことが起きるみたい」とつぶやくのは、『ハロウィン』ファンへの目配せ。また、カーティスは本作で初めて母親のジャネット・リーと共演した。





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