2023.06.09
『エリック・クラプトン アクロス24ナイツ』あらすじ
史上最高のギタリストとも称されるロックレジェンド、エリック・クラプトンは、1990年〜91年に本拠地とするロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで全42回の公演を行った。30数年を経た今、そのベストパフォーマンスを選び抜いて編集、4Kで作り上げたのが本作。脂の乗り切ったクラプトン珠玉のパフォーマンスがここに。
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クラプトンが愛する、ロイヤル・アルバート・ホールと武道館
2023年4月に来日公演を行った英国の伝説的なロック・ミュージシャン、エリック・クラプトン。今回は日本武道館で記念すべき100回目のコンサートも実現。初来日は1974年だったので、以後、約50年間(来日は通算23回)に渡って日本で地道にライブ活動を続けたことになる。
今年のコンサートの直前、3月に78歳になったが、ステージに立つと(その年齢が信じられないほど)バリバリの現役感を見せる。オープニング曲はインストの新曲「ブルー・レインボウ」。今年亡くなった盟友、ジェフ・ベックに捧げられた曲で、悲しみを秘めながらも力強いギターの音がガツンとこちらの体中に響く。かつて<世界3代ギタリストのひとり>と呼ばれたこともあったが、そのパワーは健在。さらに失った盟友への深い思いも感じられた(筆者が見たのは武道館での99回目のコンサート)。
『エリック・クラプトン アクロス24ナイツ』©2023 Bushbranch Studios Ltd
5月にはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで「エリック・クラプトン&ヒズ・フレンズ」の名義で、ジェフ・ベックのための追悼コンサートも主催。ロン・ウッドや ロッド・スチュワート他、新旧のミュージシャンたちが総出演のイベントで、チケットはソールドアウトとなる盛況ぶり。また、在りし日のジェフと共演した曲「ムーンリバー」もリリース。アニメーションを使ったミュージック・ビデオにも味があり、音楽の旅を続けた天才ギタリスト同士の友情が伝ってくる。
70代の今も精力的な活動ぶりだが、そんな彼の40代の演奏を堪能できるコンサート映画『エリック・クラプトン アクロス24ナイツ』(23)が作られた。前述のジェフの追悼コンサートが行われたロイヤル・アルバート・ホールは、武道館と並び、彼が最も愛するコンサート会場で、彼はここで90年に18回、91年には24回の連続コンサートを行い、大きな話題を呼んだ。この時撮影されたオリジナルの音源や映像を映画用に編集して、4K版として再現。野心的だった当時のクラプトンのシャープな演奏が次々に登場。エキサイティングなライブ体験ができる。