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『ワイルド・バンチ』やモハメド・アリの影響も!?タイトル・バック誕生秘話!『スナッチ』

『ワイルド・バンチ』やモハメド・アリの影響も!?タイトル・バック誕生秘話!『スナッチ』


タイトル・バックがなければ、映画の印象は変わっていた?



 かくして『ワイルド・バンチ』の手法に「モハメド・アリ」のポスターという、一見どうやっても結びつかないようなエッセンスを組み合わせることで本作のコンセプトは固まった。とはいえ、各キャラクターの登場する順番、どこで画面を静止させるかのポイント、音楽との整合性、文字のフォントや位置、それにキャラクター同士がいかにバトンを繋げていくかという演出上の趣向など、他にも詰めるべき細かな作業はたくさんあった。さらにガイ・リッチーはスタッフの力量や才能と同じくらい信用や信頼といった面にも重きを置く人なので、ヒルトン&クロスは限られた時間の中、気が休まる瞬間など全くないまま走り続けたことだろう。


 すべてはこの「たった1分間」を最高に楽しく、魅力的なひとときに仕上げるため。そして、一つ間違えれば「登場人物が多く、話も複雑なシロモノ」という烙印を押されかねない『スナッチ』において、この1分間のタイトル・バックの仕上がりこそが映画の命運を分けたと言っても過言ではない。




 もしもこの映画にタイトル・バックがなかったら? そう考えただけでもゾッとするが、逆にこれがあったからこそ、実際のストーリーでは決して一堂に会することのないキャラクターたちが「1分間」の中でコンパクトにひしめき合うことが可能となったわけである。こうして大風呂敷の結び目を作っておくことで、映画の中のバラバラな印象はギュッとまとまりを帯びていく。


 このタイトル・バックはノリやカッコ良さもさることながら、群像劇という特性をきちんと捉え、内容もしっかりと詰まっている。全てに渡って緻密に計算されたものだからこそ、未だに中毒性が高く、これほど(ある意味、本編以上に)愛され続けているのだろう。




 かくも本作を陰ながら力強く支えたイアン・クロスとスチュアート・ヒルトン。彼らはその後も地道にタイトル・バックを作り続けているのだろうか。気になって調べてみると、手がけた映画はこの『スナッチ』一本のみだった。二人は今なお「 FAQ」と銘打たれたクリエイター・デュオとして活動し、主にコマーシャルの領域で活躍を続けているとのこと。検索すればすぐにウェブサイトにたどり着くので、気になった方は是非、彼らの最近の仕事ぶりもチェックしてみてほしい。タイトル・バックとはまたガラリと異なった趣向のCMばかりではあるが、あの頃と同様の、テンポよく、細部まで考え抜かれた『スナッチ』イズムはいずれの作品にも健在だ。


参考:

http://www.artofthetitle.com/title/snatch/



文:牛津厚信 USHIZU ATSUNOBU 

1977年、長崎出身。3歳の頃、父親と『スーパーマンⅡ』を観たのをきっかけに映画の魅力に取り憑かれる。明治大学を卒業後、映画放送専門チャンネル勤務を経て、映画ライターへ転身。現在、映画.com、EYESCREAM、リアルサウンド映画部などで執筆する他、マスコミ用プレスや劇場用プログラムへの寄稿も行っている。



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『スナッチ』 発売中

Blu-ray 2,381円(税別)/DVD 1,410円(税別)

発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

©2000 SCREEN GEMS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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