1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ネバーエンディング・ストーリー
  4. 『ネバーエンディング・ストーリー』原作者ミヒャエル・エンデが望んだものとは?
『ネバーエンディング・ストーリー』原作者ミヒャエル・エンデが望んだものとは?

(c)Photofest / Getty Images

『ネバーエンディング・ストーリー』原作者ミヒャエル・エンデが望んだものとは?

PAGES


アナログ作業が生んだファンタジーの世界



 「ファンタージェン」の側で描かれるのは、まさに冒険ファンタジーの“王道中の王道”といえる内容。それだけに、映像表現の難度は非常に高いものとなっている。そんな世界観の構築を見事に成し得たのは、大がかりなセット、着ぐるみや人形の制作や操演など、アーティストたちが地道に一つひとつを作り上げたからに他ならない。撮影についても当初の予定の4倍もの時間をかけ、納得いくまで完成度を高めている。そんな丁寧なアナログ作業からは、CGで表現されることの多い現在のファンタジー映画にはない質感やリアリティが味わえる。


 一方で合成などの面では、当時最大といわれるブルーバックを背景に撮影された素材のポストプロダクションを、ILM(インダストリアル・ライト&マジック)が担当。 “幸運の竜ファルコン(ファルコー)”が猛スピードで世界をめぐるスペクタクルなどが、当時の最新の技術により大スケールで表現されることとなった。



『ネバーエンディング・ストーリー』(c)Photofest / Getty Images


 さらには、ペーターゼン監督と交流のあった、ヒットメイカーのスティーヴン・スピルバーグが、アメリカ(世界)公開版ではドイツ本国公開版の場面の一部をカットして、より娯楽作に近づけるようにタイトな内容にするなど、編集面で手助けしていることも知られている。その返礼として、スピルバーグは作品の象徴である首飾り「アウリン」のオリジナルの小道具を贈られ、オフィスに飾っているという。


 本を読んでいるだけのはずのバスチアンが、いつしかファンタジーの世界に干渉していくという展開や、自分の創造力によって、荒廃した世界を新たに創造し直すという結末は、非常にエモーショナルだ。そこには、“創造力を持つことの素晴らしさ”というテーマが掲げられ、親や教師などから軽視されがちな“空想”が好きな子どもたちに、「空想をすること、現実ばなれした夢を見ることは無駄なことではない」というメッセージを発信し、クリエイティブなタイプの観客へのエンパワーメントにつながっているところがある。





PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ネバーエンディング・ストーリー
  4. 『ネバーエンディング・ストーリー』原作者ミヒャエル・エンデが望んだものとは?