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『ネバーエンディング・ストーリー』原作者ミヒャエル・エンデが望んだものとは?

(c)Photofest / Getty Images

『ネバーエンディング・ストーリー』原作者ミヒャエル・エンデが望んだものとは?

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映画を原作体験のきっかけに



 本作『ネバーエンディング・ストーリー』に至っては、創造力を利用して、いじめっ子を痛めつけるといった、まさにエンデが危険性をうったえている態度を、爽快感とともに好意的に描いているという点で、「はてしない物語」の重要なテーマの一方がスポイルされるだけでなく、真逆のメッセージを発してしまっているといえよう。人類の負の歴史や、世界でいま起こっているさまざまな問題が、現実から目を逸らそうとする都合の良い物語が編み出されることで悪化している事実を考えれば、エンデの慧眼には感心させられるのである。


 だが、映画『ネバーエンディング・ストーリー』が、熱いクリエイティヴィティが反映されるとともに、創造力の素晴らしさを掲揚した特別な一作になっていることも間違いのないところだ。魅力的なクリーチャーや、畏れや不気味さすら感じさせる不思議で壮大な世界が、これまでにない冒険の体験を、観客たち、とくに子どもの心に深く植えつけられることになったのも事実だろう。だから本作のファンには、これを素晴らしい入り口として、原作小説にも親しむことを提案したい。



『ネバーエンディング・ストーリー』(c)Photofest / Getty Images


 ところで、このミヒャエル・エンデの「はてしない物語」、なんと再映画化されるという企画が、最近アメリカの業界誌で報じられたばかりだ。しかも一作のみではなく、複数にわたるシリーズになるのだという。あるいはこのシリーズ作品で、1995年にこの世を去ってしまったエンデの無念が晴らされることになるのかもしれない。


 面白いのは、この再映画化の報に対して、映画『ネバーエンディング・ストーリー』のファンたちがSNSで、最初の映画版にリスペクトを払ったものにしてほしいと声を挙げているところだ。エンデが「キッチュで商業的」と呼んだ映画版は、いまでは一つの重要なクラシック作品として、それ自体が尊敬を集めるものにまで成長を果たしたのだ。



文:小野寺系

映画仙人を目指し、さすらいながらWEBメディアや雑誌などで執筆する映画評論家。いろいろな角度から、映画の“深い”内容を分かりやすく伝えていきます。

Twitter:@kmovie



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