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『ジュラシック・ワールド/炎の王国』CG全盛の現在、アニマトロニクスが息を吹き返した理由 ※注!ネタバレ含みます。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』CG全盛の現在、アニマトロニクスが息を吹き返した理由 ※注!ネタバレ含みます。

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壊れゆく世界。彼岸に立つ一頭の恐竜が意味するもの



 かくもアニマトロニクスを用いて表現される直接的な触れ合いは、今回、人間と恐竜との接近した関係性を描く上で大きな効果をもたらした。


 ただし、本作の中で最も激しく心を揺さぶられた「人間と恐竜との交流」シーンを一つだけ挙げるなら、それは残念ながらアニマトロニクスではなく、CGを用いた箇所となろう。そう、イスラ・ヌブラル島から命からがら脱出するくだりである。


 船上から望む岸壁には、我々に「さよなら」を言いに来たのだろうか、いつしか一頭のブラキオサウルスの姿が。やがて溶岩流から生じる煙に包まれ、消えていくその存在――――。この時、スクリーンを覆う美しくも幻想的な映像は、一つの世界の終焉を意味するのみならず、人間が育み続けてきた“儚い夢”の終わりさえも象徴しているかのようで、胸の苦しさを感じずにいられない。




 そしてシリーズを愛する人ならば瞬時にお気付きのことだろう。作り手たちもまた、ここで別れを交わす恐竜が、シリーズ第一作目でいちばん最初に登場したブラキオサウルスであることを認めている。当時の観客たちを客席に仰け反らせるほどの感動と驚きで包み込んだあの恐竜である。なんというノスタルジー。まるで古い友人に出会ったかのような思いがこみ上げるのはそのためか。


 もしかするとこの首長竜は、四半世紀にわたりこの地で巻き起こったことの一部始終を、そのつぶらな瞳で上方から見つめてきた守り神のごとき存在だったのかもしれない。そう考えると、新生『ジュラシック・ワールド』3部作のちょうど真ん中に位置するこの場面で、物語は明らかに転調の時を迎え、世界はついに神の目の届かない、いわば神の死んだ後の未曾有の次元へ突入していくことになるのである。



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