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『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズNever Look Back

©2025 PARAMOUNT PICTURES.

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズNever Look Back

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『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』あらすじ

すべての“ミッション“はここにつながるー。映画の常識を変え、不可能を可能にし続けてきた『ミッション:インポッシブル』シリーズの集大成―『ファイナル・レコニング』。トム・クルーズ演じるイーサン・ハントの運命は?そしてタイトルが持つ“ファイナル”の意味とは・・・?


Index


僕らはイーサン・ハントではなく、トム・クルーズを見ている



 2025年、遂に『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が日本で公開された。今やスパイ映画の代名詞ともなった『ミッション:インポッシブル』シリーズ(96年~)の集大成的な作品であり、今や超絶スタント野郎と化したトム・クルーズの最新作だ。トムクルさんは、このシリーズで崖・高層ビル・飛行機・ヘリコプター……etc! とにかく高いところから飛んだり落ちたりしている。そして本作でも空を飛ぶプロペラ機と格闘するという、誰も見た事がないアクションをやってのけている。


 しかし、この超絶スタントを見ながら、こんなふうに考えてしまった人もいたのではないだろうか? 「確かに凄い迫力だ。けれど、自分は今、フィクションの人物イーサン・ハントが心配でハラハラしているのではなく、実在の俳優トム・クルーズが心配でハラハラしているのではないか?」……と。



『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』©2025 PARAMOUNT PICTURES.


 イーサン・ハントとトム・クルーズ。今、この二つの存在の境目は、限りなく薄くなっている。ある意味で『ロッキー』(76)のロッキーとスタローンや、『仮面ライダー』(71)の本郷猛と藤岡弘、のようなものだ。そして、こうなってしまうのも仕方がないとも言える。


 『ミッション~』シリーズは、トムクルさんの俳優人生のすべてと言ってもいい。もちろん1作目に主演した時点で、トムクルさんは大スターだった。しかし、彼がプロデューサーを務めたのは『ミッション~』が初であり、以後のシリーズでも常にトムクルさんがプロデューサーとして参加している。主演俳優という映画の表、プロデューサーとしての映画の裏、どちらもトムクルさんが担っているのだ。ハリウッドの超A級アクション超大作だが、このシリーズにはそんじょそこからのアートフィルム以上に、トム・クルーズという個人の信念と美学と思想が激しく込められている。


 今回はシリーズの足跡を辿りつつ、いかにしてトム・クルーズとイーサン・ハントの境目がなくなっていったか? その現象によって何が起きたか? その点を語っていきたい。





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