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完全主義者キューブリックの演出に隠された裏テーマとは『シャイニング』

完全主義者キューブリックの演出に隠された裏テーマとは『シャイニング』


「業」と「輪廻」の裏テーマが永遠の魅力を吹き込む ※映画のラストに触れています。



 映画のラストは、ホテルの大広間をゆっくりとズームインし、1枚のモノクロ写真を大写しにして終わる。1921年7月4日(アメリカの建国記念日)の日付がある舞踏会の記念写真の最前列中央に、ニコルソンの顔が写っている。さまざまな解釈を生んだエンディングだが、キューブリックはインタビューでこう語った。「最後の大広間の写真は、ジャックの生まれ変わりを暗示している」(※参考文献2)




 本稿の冒頭で紹介したように、ジョン・レノンが業(ごう)について歌った『インスタント・カーマ』にインスパイアされ、スティーヴン・キングは小説を『シャイニング』と名付けた。キューブリックは、キングが小説中で言語化しなかった業と輪廻の要素を映画に持ち込んで大胆に改変した。ただし、これらの要素は巧妙な演出により表面化せず、「裏テーマ」の位置づけにとどまっている。一見しただけではわかりづらいキューブリックの裏テーマにより、映画『シャイニング』は観客を惹きつけてやまない永遠の魅力を獲得したと言えるだろう。


参考文献:

1. 『映画監督スタンリー・キューブリック』 ヴィンセント・ロブロット著 浜野保樹・桜井英里子訳 晶文社

2. 『Kubrick(キューブリック)』 ミシェル・シマン著 内山一樹監訳 白夜書房




文: 高森郁哉(たかもり いくや)

フリーランスのライター、英日翻訳者。主にウェブ媒体で映画評やコラムの寄稿、ニュース記事の翻訳を行う。訳書に『「スター・ウォーズ」を科学する―徹底検証! フォースの正体から銀河間旅行まで』(マーク・ブレイク&ジョン・チェイス著、化学同人刊)ほか。



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『シャイニング』

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