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  4. 『シャイニング』複数バージョンの比較で浮かび上がる、ホテルの呪いの正体 ※注!ネタバレ含みます。
『シャイニング』複数バージョンの比較で浮かび上がる、ホテルの呪いの正体 ※注!ネタバレ含みます。

『シャイニング』複数バージョンの比較で浮かび上がる、ホテルの呪いの正体 ※注!ネタバレ含みます。


ホテルに多用されたインディアンの意匠



 先述のように、ジャックを含む主要キャラクターの設定や結末の変更は明白な改変ポイントだが、オーバールック・ホテルの描写についても重要な違いがある。ドラマ版と見比べると一目瞭然。映画のホテル内装には、壁と床の模様、敷かれたラグマットと掛けられたタペストリー、支配人オフィス前の抽象画から食品貯蔵室のベーキングパウダーの缶まで、インディアン(※注1)の意匠があちこちに散見されるのだ。Blu-ray版『シャイニング』の特典映像によると、こうしたホテルの内装はヨセミテ国立公園内のアワニー・ホテル(2016年3月に マジェスティック・ヨセミテ・ホテルに改称)を参考にしたという。


 映画は台詞でもインディアンとの関連性を示唆する。序盤でジャックたち夫婦を案内する支配人アルマンは、ホテルを建てた場所がかつてインディアンの埋葬地だったこと、建設中もインディアンから数度の襲撃を受けたことを説明する。また、国際版では削除されたが、大広間「コロラド・ラウンジ」を案内されたシーンで、ウェンディ(シェリー・デュヴァル)は「こんな素敵な場所は見たことない。インディアンのデザインは全部本物なの?」と尋ね、アルマンは「ええ、主にナバホ族とアパッチ族のモチーフを元にしたようです」と答える。




 一方のドラマ版のホテルは、大広間のソファ数点にインディアン柄のラグがかかっている点を除けば、ごく普通のヨーロッパ調の内装だ。かつてインディアンの土地だったという説明もない。ではなぜ、キューブリックは映画でインディアンの要素を強調したのだろうか?


【注1……近年メディアではより適切な呼称として「ネイティブ・アメリカン」が使われる傾向があるが、(1)劇中の台詞では「インディアン」に統一されている(2) 1995年の米国勢調査(PDF・18ページの表)で、当該民族に属する人が自らの呼称として「アメリカン・インディアン」を好む人が49.76%を占め、「ネイティブ・アメリカン」の37.35%を大きく上回った――以上の2点から、本記事でも「インディアン」の呼称を採用した】



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