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『ヒックとドラゴン』リアルな手触りと迫真の臨場感を伴い再び舞い降りた、実写版アドベンチャー
ドラゴンと少年が空を飛ぶ。それはどれだけ歳を経ても心を熱くさせる普遍的モチーフだ。実写版『ヒックとドラゴン』(25)では、周囲に自分のことを認めてもらえない少年が、一匹の傷ついたドラゴンと出会い、友情を温める。友情はやがて飛翔を生み、彼らは苦手な部分を補い合いながらお互いの可能性を大いに羽ばたかせていくーー。
『ヒックとドラゴン』あらすじ
何世代にも渡り人間とドラゴンが戦いを続けているバーク島で暮らすヒックは、ある日伝説のドラゴン、ナイト・フューリーと運命的な出会いを果たす。トゥースと名付け、友情を育む中で、ドラゴンと共生する方法がないか模索していくが、ある古代の脅威が世界を危機に陥れ…。
Index
アニメ版にアドバイザーとして加わった一人のベテラン
本作のベースとなったアニメ版『ヒックとドラゴン』(10)と言えば、世界中で大ヒットを打ち立てた名作中の名作だ。忘れもしない。私はかつてこれに触れた際、序盤からドラゴンとバイキングの攻防に思いっきり呑み込まれた。その上、飛行シーンあまりの素晴らしさに涙をこぼしてしまったほどである。
もちろん、それはクリス・サンダース&ディーン・デュボア両監督(『リロ&スティッチ』/02)がもたらした創造性の素晴らしさゆえ。と同時に、アニメ版の大きな特徴といえるのが、ハラハラドキドキが抑えきれなくなる、あの迫真のカメラワークだ。
『ヒックとドラゴン』©2025 UNIVERSAL PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
このアニメ版の制作時、二人が映画界の大物に力を借りたのは有名な話。『ショーシャンクの空に』(94)、『ノーカントリー』(07)、『007 スカイフォール』(12)、『ブレードランナー 2049』(17)、『1917 命をかけた伝令』(19)などで度肝を抜く映像を生み出してきた撮影監督、ロジャー・ディーキンスをヴィジュアル・コンサルタントとして招聘し、アニメーション内におけるリアルな臨場感を求めて、カメラの動きや照明の当て方を追求した。その結果、誰もが興奮に胸を膨らませるあの最高級の質感が生まれたのである。