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『2001年宇宙の旅』を70mmプリント、IMAXデジタルで鑑賞する意義とは?

『2001年宇宙の旅』を70mmプリント、IMAXデジタルで鑑賞する意義とは?


70mmというフィルム規格は、どのようにして生まれたのか?



 世代によってはピンとこないかもしれないので補足しておくと、70mmというのはフィルムのサイズのこと。かつて商業映画は35mmフィルムによる、縦横1対1.375のアカデミー比に基づくアスペクト比率が標準規格だった。それが1950年代に入り、テレビの普及に抗うかのように、映画はワイドスクリーン(幅広画面)という新機軸を打ち出していく。


 そのきっかけとなったのが、35mmカメラ3機で撮影した映像を3台の映写機で湾曲スクリーン(120〜146度)に投影し、大きく映像を映す「シネラマ」(縦横1対2.66〜2.88)の登場である。このシネラマを始めとし、アナモフィック(35mmを歪像レンズを通して圧縮撮影し、上映時に伸張させる方式)で横長の映像を提供する「シネマスコープ」(縦横1対2.35)が後続して生まれ、映画は急速にワイドスクリーンの市場を拡げていったのである。


 さらには35mm×3同時投影というシネラマの効率の悪さや、シネマスコープに発生する像面収差(ボヤけ)の発現を解消するため、より画質を追求したワイドスクリーンの開発がおこなわれ、フィルムそのものを大型化する「70mm」が誕生したのだ。




 分割や圧縮ではない、正像によるワイドスクリーンを目指したこの方式は、65mmネガフィルムを撮影に使用し、70mmのポジにプリントする形をとっている(両端5mmの領域はサウンドトラックに使用)。なので本来は「65/70mm」とするべきだが、便宜上「70mm」と呼ぶ傾向にある。70mmは面積が広いぶん、画質は高精細を極め、観客に巨大で迫力のある映像体験を提供できる。その代わり、専用のカメラ機器が重いというデメリットはあるものの、本フォーマットから得られる高品質かつ豊かな画像情報量は、家庭用テレビでは太刀打ちできない圧倒的な魅力を放つのだ。


 なお『2001年宇宙の旅』の70mmは「スーパーパナビジョン70」と呼称されるもので、パナビジョン社の球面レンズを使用し、アスペクト比率を縦横1対2.20の70mm統一規格に合わせたマーケティングブランドだ。これで撮影された他の作品には『ウエスト・サイド・ストーリー』(61)『アラビアのロレンス』(62)『マイ・フェア・レディ』(64)などが挙げられる。



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