1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. トレイン・ドリームズ
  4. 『トレイン・ドリームズ』が賞レースのダークホースとして注目される幾つかの理由
『トレイン・ドリームズ』が賞レースのダークホースとして注目される幾つかの理由

Netflix映画 『トレイン・ドリームズ』

『トレイン・ドリームズ』が賞レースのダークホースとして注目される幾つかの理由

PAGES


 20世紀初頭のアメリカ。幼い頃に両親を亡くしたロバート・グレイニア(ジョエル・エドガートン)は、太平洋岸北西部の森林地帯で成長し、森の自然と仲間たちとの出会いの中で国が推し進める鉄道事業に貢献している。その間、最愛の女性グラディス(フェリシティ・ジョーンズ)と巡り合い結婚、一児をもうけたロバートだったが、仕事のために家族と離れ離れの生活を余儀なくされる。そして、思わぬ悲劇がロバートを襲う。


Index


すでにナショナル・ボード・オブ・レビューの脚色賞を受賞



 本年度のアワードシーズンがスタートし、次々と受賞作と受賞者の名前が読み上げられている。世界中の映画ファンは受賞リストを眺めながら、賞レースのラストを飾るアカデミー賞の行方を占うという至福のひとときを過ごしているわけだが、ここで一言。作品賞他、メインカテゴリーにタイトル名が挙げられている映画たちの中で、最も地味で、だからこそ目立っている一作を紹介したい。すでにNETFLIXで配信中の『トレイン・ドリームズ』(25)だ。



Netflix映画『トレイン・ドリームズ』


 同作は今年1月のサンダンス映画祭でプレミア上映され、熱狂的に迎えられて以降、ニューヨーク映画祭他、全米各地の映画祭で上映される度に評価が急上昇、配信後の口コミ効果も手伝って俄然有力候補の1作として浮上した。賞レースでは、現時点でナショナル・ボード・オブ・レビュー(NBR)の脚色賞他で受賞、数々のノミネーションを獲得している。


 ピューリッツァー賞の最終候補にもなったアメリカの小説家で詩人でもあるデニス・ジョンソンの中編小説に、監督のクリント・ベントリーが強く触発されたのが製作の始まりだ。早速ベントリーは、『シンシン/SING SING』(23)でも組んだ盟友のグレッグ・クウェダーに共同脚色を持ちかけ、完成した脚本を元に、2024年4月、ワシントン州で撮影はスタートする。撮影期間はたったの29日だったが、彼らがカメラに収めた物語は静寂の中から深い感動が湧き出るような濃厚なものとなった。




PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
counter
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. トレイン・ドリームズ
  4. 『トレイン・ドリームズ』が賞レースのダークホースとして注目される幾つかの理由