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『ARCO/アルコ』設定の異なる“2つの未来”を描いた、グラフィカルな傑作アニメーション

©2025 Remembers / mountainA / France 3 CINEMA

『ARCO/アルコ』設定の異なる“2つの未来”を描いた、グラフィカルな傑作アニメーション

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製作・出演に参加したナタリー・ポートマン



 特筆すべきは、その特異な映像制作の手法である。本作を鑑賞すれば、BDのページがそのまま動き出したかのような、洗練されたグラフィカルな質感に圧倒されることだろう。そこでは複雑な構図やキャラクターの整合性を保つため、しばしば3DのCGモデルが利用されているが、最終的に手描きで描き直される。デジタル技術の正確さと、人間の筆致が持つ風合いを共存させているところもまた、ハイブリッドといえる。


 ビアンヴニュが長編映画の制作に乗り出した背景には、フランスでベストセラーとなった自作の成功があった。だが、アメリカの制作会社からその映画化を打診された際、彼はそれを翻案するという道を選ばなかった。既存の作品の翻案や続編の映像化企画は、もともとの内容が損なわれスポイルされてしまうことが少なくないと、ビアンヴニュは言う。だから、彼の初の長編アニメーション作品である本作は、オリジナルの物語にこだわったのである。その強い作家的な意志が、本作にある種の強度と鮮烈な印象をもたらしている。



『ARCO/アルコ』©2025 Remembers / mountainA / France 3 CINEMA


 俳優のナタリー・ポートマンが共同製作として名を連ねている点も重要だ。企画の途中から彼女がプロデュースに参加したことによって、4、5人の規模だった本作の制作は一気に拡大し、最終的には250人ものスタッフがかかわる世界的なプロジェクトへと発展した。思慮深く社会への関心が高い彼女が、本作のメッセージに同調するのは不思議ではないだろう。ポートマンは、英語版で主人公イリスの母親役を演じ、父親役のマーク・ラファロの声をミックスさせる“子育てロボ”の役も担当している。





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