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「AKIRA」「童夢」にドイツ表現主義まで!SF怪作『ダークシティ』の世界観に影響を与えたものとは?

「AKIRA」「童夢」にドイツ表現主義まで!SF怪作『ダークシティ』の世界観に影響を与えたものとは?

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『ダークシティ』で描かれた記憶のカオス状態とは?



 とはいえ、『ダークシティ』や『マトリックス』のような作品で「影響を受けた、受けない」を言い出したらキリがないという側面もある。なぜなら双方ともに、監督が幼い頃から影響を受けてきたあらゆる要素をモザイク状に散りばめ、何年もかけて熟成を重ねてきたシロモノだからだ。


 例えば、公開時に散々話題になったように、『マトリックス』の作品内にはサイバーパンク小説、カンフー映画、コミック、ジャパニメーション、聖書、ギリシア神話、哲学、A.I.、インターネットなどの要素が隙間なく詰まっていることで知られている。


 では、一方の『ダークシティ』を輪切りにしていくと、一体どのような構成要素が見つかるだろう?




 まずもって、この映画の導入部で目に止まるのが40年代のフィルムノワールの味わいである。タバコの臭い、酒、犯罪、ファムファタール。これらの要素がフルハウスで揃ったかと思うと、突如として物語が思いもしないSF色へと振り切れていく。この前人未到の「ノワール」と「SF」との思いがけない融合こそが本作の最大の醍醐味。ただし、きちんと正確に40年代を再現しているのかと思いきや、決してそうではない。というのも本作では“記憶の混濁”が一つの持ち味となっており、背後に流れる音楽や走行中の車などは整合性を持たず、全く年代のかけ離れたものだったりする。こうやって意図的にミスマッチやカオスを作り出すことによって観客の違和感が増幅していくように仕掛けられているのである。



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