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『恐怖の報酬』天才ウィリアム・フリードキン最高にして悲運の傑作

『恐怖の報酬』天才ウィリアム・フリードキン最高にして悲運の傑作

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天才フリードキンはいかにして『恐怖の報酬』を撮るに至ったのか?



 フリードキンは数々の傑作をものにしてきた天才だが、その名を不動にしたのは『フレンチ・コネクション』(71)と『エクソシスト』(73)であることに異論はないだろう。しかし76年当時、フリードキンは次回作に何を撮るか、頭を悩ませていたという。映画史に残る大傑作を立て続けに撮ってしまったのだから、無理もないことだった。彼は当時の心境をこう語っている。


 「もうオカルトや刑事モノをやる気はなかった。だが、新たに得た快適さから離れ、もっと暗く、もっと薄汚れた何か、例えば実存主義な作品、私が好きな(ジョン・ヒューストン監督の)『黄金』(48)のような作品に取り組みたいと思うようになった。」


 そんなフリードキンがたどり着いたのが、20年前に見て心打たれたクルーゾーの『恐怖の報酬』だったのだ。しかし、単なるリメイクにするつもりはなかった。


 「クルーゾーの傑作とはキャラクターもエピソードも変えたかった、そしてリメイクではない、まったくのオリジナル脚本で勝負したかった。それは、堅気ではない男たちが、予測できない運命に逆らいながら生き残るために戦い続けるドラマだ。」




 フリードキンは妄執に取りつかれた人々の狂気を描くことを重要なテーマとしてきた。犯人を追いつめるために手段を選ばない刑事、悪魔との戦いに執念を燃やす神父、近年の『BUG/バグ』(06)や『キラー・スナイパー』(11)といった小品でも、登場人物たちの鬼気迫る妄執が作品を駆動させる大きな原動力であり、画面に我々をくぎ付けにするフリードキン印だった。彼は『恐怖の報酬』でも、スクリーンに狂気を焼きつけるため南米のジャングルで死闘を繰り広げることになる。



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