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『ホステル』“痛い”だけではない拷問ホラーが見据える真の恐怖

(c)Photofest / Getty Images

『ホステル』“痛い”だけではない拷問ホラーが見据える真の恐怖

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娼館から殺人の館へ、“プレイ”はおぞましさを増す!



 ここからは物語の面白さについて語っておきたい。序盤はジョッシュとパクストン、オリーのハメを外した旅の道行きが描かれ、後の地獄絵図のような展開とは大きくかけ離れている。セックスを求めて娼館に足を運ぶ場面では、各部屋のドアの窓から女性たちの妖艶なシルエットが見え、それぞれの部屋で行なわれている快楽のプレイを垣間見せる。ここで注目したいのは、彼らが娼婦たちを見下していること。そういう意味では、オクテのジョッシュはセックスを金で買うことに消極的で、比較的共感を集めやすいキャラクターだ。


 前半はジョッシュの視点で物語が続くので、彼が本作の主人公と思うだろう。しかし、これはミスリード。ロスは『サイコ』(60)に倣い、主人公と思われたキャラクターを中盤で惨殺する。もちろん、これは意外性を狙ってのことだ。真の主人公はパクストンだが、ジョッシュが姿を消す少し前から、チャラそうに見えたパクストンの温かい人間性を、ロスはそのセリフの中に少しずつにじませていく。



『ホステル』(c)Photofest / Getty Images


 オリーが消え、ジョッシュが消えたことから、パクストンは何が起きたのかを探り、真相を知っているらしいホステルの女性たちを追求する。そうして連れてこられたのが、後半のメインの舞台となる“殺人の館”だ。ここのシステムについては劇中で多くは語られていないが、海外から来た金持ちが快楽のために人を殺す場であることは想像できる。これも劇中では明言されていないが、ロシアンマフィアがこの殺人の館を運営しているという裏設定を、ロスは作り込んでいた。


 殺人の館で拘束され、地下の長い廊下を引きずりまわされるパクストンは、各部屋で行なわれている残虐行為を目にすることになる。これは序盤で、娼館の廊下を進むシーンと対を成している。パクストンは娼館では買う側だったが、ここでは売られる側。見下していた側が見下される側になるという皮肉。見下す側の金持ちにとって、殺人は“プレイ”だ。ジワジワといたぶってサディスティックな欲求を満たしていく、というわけだ。





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