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不遇の名作『ラスト・ボーイスカウト』当時史上最高額の脚本に反映された、シェーン・ブラックの人生の悲しみ

(c)2013 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

不遇の名作『ラスト・ボーイスカウト』当時史上最高額の脚本に反映された、シェーン・ブラックの人生の悲しみ

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バディムービーで作家性を発揮する脚本家



 シェーン・ブラックはバディムービーの名手だ。その名を轟かせるきっかけは脚本を担当した『リーサル・ウェポン』(87)、『リーサル・ウェポン2/炎の約束』(89)の2作だろう。ブラックは「バディムービー」の肝ともいえるコンビの軽妙な掛け合いを得意としており『リーサル・ウェポン』シリーズでもメル・ギブソンとダニー・グローバーに漫才さながらの掛け合いを用意し、作品をヒットに導いていた。


 その後も、『ロング・キス・グッドナイト』(96)やバーディムービーにオマージュを捧げたコメディ『ナイスガイズ!』(16)を手掛け、様々な形で「バディ」を表現してきた。


『リーサル・ウェポン』予告


 もちろん『ラスト・ボーイスカウト』でも掛け合いの妙を楽しむことができるが、概ね明るい雰囲気が支配することが多い「バディムービー」とは一味違った、人間の「影」の部分にスポットがあたっている。


 『ラスト・ボーイスカウト』でコンビを組むのは元シークレットサービスの私立探偵ジョー(ブルース・ウィリス)と、賭博で引退した元フットボーラーのジミー(デイモン・ウェイアンズ)だ。ジミーの恋人コリー(ブレイク前のハル・ベリー!)が何者かに射殺され、2人は図らずも相棒となって事件の真相を追う。



『ラスト・ボーイスカウト』(c)2013 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.


 探偵のジョーは結婚しているが夫婦仲は最悪で、娘からも毛嫌いされている。ジミーは落ちぶれたフットボールプレイヤーで、麻薬に手を出している。そんな2人に付きまとうのは、自己否定の感情だ。ジミーはこんなセリフを度々つぶやく、「人生はクソだぜ・・・」。


 実はこの設定は、脚本家のシェーン・ブラックの当時の心理が大きく影響している。



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